top of page

特定技能外国人材のマネジメントは誰が担うべきか?経営・人事・現場の役割分担を整理

  • sou takahashi
  • 1 日前
  • 読了時間: 6分
特定技能外国人材のマネジメントは誰が担うべきか?経営・人事・現場の役割分担を整理

目次:


「特定技能の管理は、結局誰がやるの?人事?現場?それとも外部に任せる?」

特定技能外国人材の受け入れを始めた企業で、最も混乱しやすいのが「誰が責任を持つのか」という役割分担です。


役割が曖昧なまま受け入れを進めると、以下のような問題が次々と発生します:


  • 在留期限の管理漏れで、更新手続きが間に合わない

  • 外国人材からの相談が放置され、不満が蓄積して離職

  • 現場トラブルの対応が後手に回り、安全管理に穴が開く

  • 人事が業務過多でパンクし、他の採用活動に支障が出る


本記事では、経営・人事・現場の3層それぞれが担うべき役割を整理し、「1人に背負わせない運用設計」を提示します。役割分担テンプレートも掲載しますので、自社の体制構築にお役立てください。


1.なぜ「特定技能のマネジメント」は役割分担が必須なのか


なぜ「特定技能のマネジメント」は役割分担が必須なのか


これらの業務は「守り(コンプライアンス)」と「攻め(定着・育成)」の両面があり、片方だけを重視しても成功しません。


守りだけだと…


法令は守れても、外国人材が孤立して離職。「形だけの受け入れ」になる。


攻めだけだと…


定着支援に力を入れても、在留期限管理や届出漏れで法令違反のリスクが高まる。


この「守りと攻めの両立」を実現するには、経営・人事・現場がそれぞれの得意領域で役割を分担する必要があります。


2.よくある役割分担の失敗例("あるある"で共感→解決へ)


よくある役割分担の失敗例("あるある"で共感→解決へ)

まず、実際の現場でよく見られる失敗パターンを4つ紹介します。自社に当てはまるものがないか、チェックしてみてください。







3.まず結論|特定技能マネジメントは「3層構造」で考えると整理できる


まず結論|特定技能マネジメントは「3層構造」で考えると整理できる

特定技能外国人材のマネジメントは、経営・人事・現場の3層構造で役割を分けることで、スムーズに運用できます。





4.【経営】が担うべき役割(意思決定・基準・投資)


【経営】が担うべき役割(意思決定・基準・投資)

経営層は、「現場が迷わないための判断軸」を提供する役割を担います。細かい実務には関与しませんが、方針・予算・責任の明確化は経営にしかできません。


役割

主な内容

目的・ポイント

① 受け入れ方針の決定

人数・職種・在留資格の明確化/業務内容と在留資格の整合確認/採用ルート(紹介会社・直接募集・登録支援機関)の判断

採用の方向性を統一し、制度違反やミスマッチを防ぐ

② やってはいけないラインの明文化

就労範囲逸脱の禁止/同一労働同一賃金の徹底/ハラスメント・差別禁止と文化配慮のルール化/就業規則・ガイドラインへの明記と全社周知

法令違反・トラブル・不公平感を防止

③ 必要コストの予算化

通訳翻訳、多言語マニュアル、受け入れ研修、相談窓口運営、住居支援などを予算計上

定着支援を投資として位置づけ、現場が動ける体制をつくる

④ 最終責任者の設置

取締役・人事部長などを体制図の頂点に明記し、判断迷い時のエスカレーション先を明確化

問題の放置を防ぎ、意思決定を迅速化


5.【人事】が担うべき役割(コンプラ運用+仕組み化)


【人事】が担うべき役割(コンプラ運用+仕組み化)

人事は、「経営の方針を実行可能な仕組みに落とし込む」役割です。法令遵守と定着支援の両面で、運用の土台を作ります。

役割

主な内容

目的・ポイント

① 在留資格・在留期限の管理

在留カード確認(期限・就労制限・偽造チェック)/更新期限のリマインド設定/チェックリストや公式アプリ活用

不法就労リスクの防止と期限管理の徹底

② 労務管理(雇用条件・同等待遇)

労働条件通知書の多言語化/賃金・労働時間・社会保険の適正管理/同一労働同一賃金の徹底

法令遵守と不公平感の防止

③ 行政手続き(届出・保険・書類)

外国人雇用状況届出(ハローワーク)/特定技能の定期届出(入管)/期限チェックリスト運用

届出漏れ・行政指導の回避

④ 定着の仕組み(評価・育成・相談)

評価基準の明確化/定期1on1面談/入社・安全・技能研修/社内外相談窓口の整備

早期離職の防止と成長支援

⑤ 現場運用の整備

多言語マニュアル提供/バディ制度設計/トラブル時のエスカレーションルール整備

現場負担の軽減と円滑運用


6.【現場】が担うべき役割(安全・教育・日々の受け入れ)


【現場】が担うべき役割(安全・教育・日々の受け入れ)

現場は、「外国人材が毎日働く場所」です。安全・教育・コミュニケーションの質が、定着率に直結します。

役割

主な内容

目的・ポイント

① 安全衛生の徹底

KY活動の多言語化/専門用語の事前教育/やさしい日本語+ピクトグラム+多言語手順書の活用/理解度確認の徹底

労災防止と安全意識の統一

② OJTと「伝わる指示」

曖昧表現の排除/翻訳ツール・多言語チャット活用/実演+相互確認

指示ミス防止と作業品質の向上

③ 相談しやすい環境

バディ・班長の明確化/小さな変化の早期把握/定期的な声かけ

問題の潜在化防止と早期離職の抑制

④ 異文化理解の促進

食事・宗教への配慮/礼拝・行事対応のルール化/日本人向け異文化理解研修

職場摩擦の防止とチーム一体感の向上



7.1人に背負わせない「役割分担テンプレ」


1人に背負わせない「役割分担テンプレ」

以下の表は、特定技能外国人材のマネジメント業務を「誰が主担当で、誰がサポートし、誰が最終確認するか」を整理したテンプレートです。



自社の状況に合わせてカスタマイズし、社内で共有してください。



8.登録支援機関・紹介会社に任せられる範囲/任せられない範囲


登録支援機関・紹介会社に任せられる範囲/任せられない範囲

登録支援機関や紹介会社は、特定技能外国人材の受け入れを外部からサポートする重要なパートナーです。しかし、「委託=丸投げ」ではありません。


任せやすい範囲(外部委託が有効)


  • 生活オリエンテーション(銀行口座開設、住民登録、ゴミ出しルールなど)

  • 行政手続きの同行(在留資格更新、免許取得など)

  • 定期面談・相談対応(母国語対応可能な相談窓口)

  • 緊急時の通訳(病気・事故時のサポート)



任せられない範囲(社内で担う必要あり)


  • 現場での安全教育(業務内容は社内にしかわからない)

  • 日常的なコミュニケーション(職場の人間関係構築は外部では代替不可)

  • 評価・昇給の判断(業務遂行状況は現場・人事が把握)

  • 受け入れ体制の整備(多言語マニュアル、バディ制度など)




9.「組織づくり」への接続


「組織づくり」への接続

役割分担が明確になったら、次は「仕組みとして回る組織づくり」です。


例えば:

  • オンボーディング設計:入社初日から1ヶ月の流れを標準化

  • 教育体系:段階的なスキルアップのステップを明示

  • 相談窓口の運用:誰がいつ対応するかをルール化

  • 評価制度:透明性のある評価基準と昇給プロセス

  • 多言語化:マニュアル・標識・社内ポータルの多言語対応


これらの仕組みは、属人化を防ぎ、誰が担当しても一定品質を保つために不可欠です。



10.まとめ


まとめ


特定技能外国人材の受け入れを成功させるには、「1人に背負わせない設計」が不可欠です。


本記事の役割分担テンプレートを参考に、自社の体制を整えてみてください。



コメント


bottom of page