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特定技能外国人材を活かす組織づくりとは?制度導入後に企業が整備すべき仕組み

  • sou takahashi
  • 11 時間前
  • 読了時間: 8分
特定技能外国人材を活かす組織づくりとは?制度導入後に企業が整備すべき仕組み

目次:



少子高齢化・人手不足が深刻化する中、多くの企業が特定技能外国人材の採用に踏み切っています。

しかし「採用しただけでは成果につながらない」ケースが散見されます。入社後わずか数ヶ月で離職してしまう、期待したパフォーマンスが発揮されない、現場との摩擦が絶えない――こうした課題を抱える企業は少なくありません。


本記事では、特定技能制度の活用を「採用施策」ではなく「組織設計の重要テーマ」として捉え直し、制度導入後に企業が整備すべき仕組みや設計のポイントを解説します。


1. なぜ「採用だけ」では成果が出ないのか?


なぜ「採用だけ」では成果が出ないのか?

1-1. 特定技能にありがちな課題


特定技能外国人材を採用した企業が直面する典型的な課題として、以下のようなものが挙げられます。


  • 採用してから離職が多い:せっかく時間とコストをかけて採用しても、半年〜1年以内に退職してしまうケースが頻発

  • 即戦力化が進まない:期待していたスキルレベルに達するまでに予想以上の時間がかかる

  • 日本語・業務理解の差異が業務効率を下げる:コミュニケーションの齟齬により、ミスやトラブルが発生

  • 現場との摩擦:文化や価値観の違いから、既存の日本人社員との関係がうまく築けない


これらの課題は、単に「外国人だから」という理由で片付けられるものではありません。根本的な原因は、組織側の受け入れ体制の不備にあることがほとんどです。



1-2. 成果が出ない根本原因



成果が出ない企業に共通する根本原因は、以下の4点に集約されます。



つまり、特定技能外国人材の活用は、「人材を採用する」という点の施策ではなく、「組織全体をどう設計・運用するか」という面の課題なのです。



2. 採用後に必要な仕組みとは?


採用後に必要な仕組みとは?

採用後に企業が整備すべき仕組みは、大きく分けて「評価制度」「育成プログラム」「相談体制」の3つの柱があります。



2-1. 評価制度の設計


外国人材が「この会社で頑張れば報われる」と実感するためには、評価基準の明確化と透明性が不可欠です。日本企業によくある「暗黙の了解」や「空気を読む」文化は、外国人材には伝わりません。


外国人材に対応した評価基準のポイント


  • 成果・行動基準の明確化:「何をどれだけ達成したら評価されるのか」を数値や具体例で示す

  • 多言語対応:評価項目や評価シートを母国語または「やさしい日本語」で提供

  • 定量評価と定性評価のバランス:単に「勤怠」「作業量」だけでなく、スキル向上や協調性、改善提案なども評価軸に含める



ポイント:単に「勤怠」「作業量」だけを評価するのではなく、貢献度・スキル向上を測る評価軸を設けることで、外国人材は「成長している」「認められている」という実感を得られます。


2-2. 育成プログラムの整備


「現場で見て覚えろ」「先輩の背中を見て学べ」という日本的な育成スタイルは、外国人材には通用しません。体系的な育成プログラムを整備することが必要です。


育成プログラムの3つの要素


  1. 業務日本語教育:一般的な日本語ではなく、現場で使う専門用語や指示表現を教える。例:「これ締めといて」→「このボルトを工具で時計回りに回して固定してください」

  2. OJT・Off-JTの体系化:いつ、誰が、何を教えるのかを明確にし、チェックリスト化する。Off-JT(座学研修)も定期的に実施し、安全教育や品質管理の理解を深める

  3. ステップアップ支援:習熟レベルに応じて、基本作業→専門技能→管理業務へと段階的にステップアップできる道筋を示す



ポイント:育成を「現場担当者任せ」にせず、育成体系を企業の戦略として設計することで、属人化を防ぎ、安定した人材育成が可能になります。


2-3. 相談体制・コミュニケーション設計


「何かあったら相談してね」だけでは、外国人材は相談しません。日本の組織文化では「相談する=弱みを見せる」と捉えられることが多く、特に外国人材は「迷惑をかけたくない」「クビになるかもしれない」という不安から相談を躊躇します。


効果的な相談体制の3要素


  • 定期面談・1on1の実施:月1回など定期的に面談の機会を設け、「待ちの姿勢」ではなく「攻めの傾聴」で悩みを引き出す

  • 多言語コミュニケーション手段:母国語対応の相談窓口(社内または登録支援機関)を設置し、言語の壁を取り除く

  • 文化的背景を踏まえた対応:宗教上の配慮(礼拝時間、食事制限)や、家族との連絡手段の確保など、文化的背景に配慮した支援を行う

👉 ポイント:単なる「支援窓口」を設置するだけでなく、経営・現場・外国人材をつなぐ相談設計として、組織全体でコミュニケーションを円滑にする仕組みを構築します。




3. 属人化を防ぐ組織設計


属人化を防ぐ組織設計

特定技能外国人材の受け入れにおいて、最も避けるべきは「特定の担当者にすべてを依存する属人化」です。担当者が異動や退職をした途端に受け入れ体制が崩壊し、外国人材が路頭に迷う――こうした事態は決して珍しくありません。


3-1. 属人化が起こる組織の特徴


  • ある担当者だけが対応している:「外国人のことは〇〇さんに聞けばわかる」状態

  • ノウハウが個人の頭の中にある:マニュアル化されておらず、暗黙知として蓄積

  • ルールが暗黙知でしか共有されない:「これは常識」という前提で動いており、新しい担当者が引き継ぎに苦労する


3-2. 仕組みで回すための設計


属人化を防ぐためには、「任せる」から「設計する」への発想転換が必要です。




4. スモールスタートで仕組み化する


スモールスタートで仕組み化する

「完璧な仕組みを最初から作らなければ」と考えて、なかなか動き出せない企業は少なくありません。しかし、仕組み化は「小さく始めて、継続的に改善する」ことが成功の鍵です。


4-1. いきなり全体設計は難しい?


導入企業に多い誤解として、「完璧な仕組みを最初からつくろうとする」があります。しかし、現場の状況や外国人材のニーズは、実際に受け入れてみなければわからない部分も多いのが現実です。


完璧主義に陥ると、以下のような問題が生じます。

  • 計画段階で時間がかかりすぎて、実行に移せない

  • 現場の実態とズレた「机上の空論」になる

  • 小さな失敗を許容できず、改善のサイクルが回らない


4-2. スモールスタートの進め方


効果的なアプローチは、「最も改善効果が高い領域から着手し、PDCAを回す」ことです。



各フェーズでは、PDCAサイクルを回すことが重要です。


  • Plan(計画):小さな目標を設定(例:3ヶ月で評価制度を導入)

  • Do(実行):試験的に実施し、現場の反応を観察

  • Check(評価):KPIで効果を測定(離職率、満足度調査など)

  • Act(改善):フィードバックを元に修正・改善


4-3. KPI・効果測定の例


仕組みの効果を測定するために、以下のようなKPIを設定します。


  • 離職率の推移:1年以内の離職率を前年比で比較

  • 評価改善による技能成長:技能レベルの向上度合いを定期的に測定

  • 現場満足度:外国人材および日本人社員の満足度調査を実施

  • 生産性指標:一人当たりの生産量、ミス発生率などの改善


これらのKPIを定期的にモニタリングし、小さな成功体験を積み重ねることで、組織全体の意識改革が進みます。




5. 『支援』ではなく『経営設計』という視点


『支援』ではなく『経営設計』という視点

特定技能外国人材の受け入れを成功させるための最も重要な視点転換は、「支援」から「経営設計」への発想の転換です。


5-1. 支援と経営設計の違い


「支援」と「経営設計」は、一見似ているようで、根本的に異なるアプローチです。



支援は「問題への対処」であり、経営設計は「未来をつくる仕組み」です。支援は必要ですが、それだけでは持続可能な成果にはつながりません。


5-2. 経営設計として捉えると何が変わるか


特定技能外国人材の受け入れを「経営設計」として捉えると、以下のような変化が生まれます。



経営設計の視点を持つことで、特定技能外国人材の受け入れは「コスト」ではなく「投資」となり、企業の競争力強化につながります。


6. まとめ:経営の次の一手としての組織設計


まとめ:経営の次の一手としての組織設計

特定技能外国人材を真の戦力にするためには、採用後の組織設計こそが最も重要です。採用しただけで満足せず、評価・育成・相談体制を整備し、属人化を防ぎ、小さく始めて継続的に改善していくことが成功の鍵となります。



人手不足が深刻化する中、特定技能外国人材の活用は、もはや「選択肢の一つ」ではなく「経営戦略の核心」となりつつあります。組織設計という視点で受け入れ体制を整備し、外国人材と日本人社員が共に成長できる環境を作ることが、これからの企業に求められています。


あなたの会社は、特定技能外国人材を「真の戦力」にするための組織設計ができていますか?今こそ、採用後の仕組みづくりに本気で取り組む時です。



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