【ホテル】海外人材採用ビザの種類と取得条件を詳しく解説
- sou takahashi
- 3月21日
- 読了時間: 11分

目次:
ホテル業界で海外人材を採用したいと考えているものの、「どのビザを取得すればいいのか」「採用時の手続きは?」と悩んでいませんか?近年、訪日観光客の増加と人手不足を背景に、海外人材労働者の需要が高まっています。しかし、適切な在留資格を理解せずに採用すると、思わぬトラブルにつながることも。
本記事では、ホテル海外人材採用ビザの種類や取得条件、雇用時の注意点を分かりやすく解説します。海外人材雇用を成功させるためのポイントを押さえましょう。
1.ホテル:海外人材採用ビザの基礎知識

海外人材がホテルや旅館で働くための条件
海外人材が日本のホテルや旅館で働くためには、適切な在留資格(ビザ)が必要です。ホテル業界での就労を希望する海外人材が取得できる主なビザには、「技術・人文知識・国際業務(技人国)」「特定技能」「特定活動」などがあります。
特に、ホテルのフロント業務や予約管理などの業務には「技人国」が適用されることが多く、専門的なスキルや学歴、業務経験が求められます。一方、清掃業務やベッドメイキングのような単純労働には「特定技能ビザ」が必要となり、一定の日本語能力と技能試験の合格が条件となる点が特徴です。
宿泊業の海外人材労働者の現状と政府の採用施策
近年、日本の宿泊業界では海外人材労働者の割合が増加しています。厚生労働省の統計によると、宿泊業に従事する海外人材の数は年々増加傾向にあり、人手不足を補うために積極的に採用するホテルや旅館が増えています。

特に、訪日海外人材観光客が多い地域では、外国語対応が可能なスタッフの需要が高まっており、フロント業務やコンシェルジュ業務において海外人材従業員の存在が重要視されています。
この状況を受けて、政府は宿泊業での海外人材雇用を促進するために、特定技能制度を導入しました。「特定技能1号」の在留資格を取得すれば、日本語能力試験(N4以上)と技能試験に合格した海外人材が、清掃や接客、調理補助などの業務に従事できるようになります。また、受け入れ企業には適切な労働環境の整備や、日本語学習支援を行う義務が課せられています。
一方で、海外人材労働者の採用には課題もあります。例えば、文化や価値観の違いによるトラブル、在留資格の更新手続きの負担、雇用後のサポート不足などが挙げられます。そのため、政府や業界団体は、海外人材が働きやすい環境整備に向けた指針を発表し、企業が適切な雇用管理を行えるよう支援を強化しています。これらの施策を活用しながら、海外人材労働者を適切に採用し、長期的に活躍できる職場環境を整えることが求められています。
2.ホテルフロント業務と在留資格

技人国ビザでホテルの清掃業務はできるのか
「技術・人文知識・国際業務(技人国)」ビザは、専門性の高い業務に従事する海外人材向けの在留資格です。そのため、ホテルの清掃業務のような単純労働には適用されません。技人国ビザの対象となるのは、フロント業務やマーケティング、宿泊プランの企画、通訳・翻訳などの知識や経験を活かす職種です。
これらの業務は、大学や専門学校での学習や実務経験が求められるため、一定のスキルを持った人材が対象となります。
一方、ホテルの清掃業務に従事するためには、別の在留資格が必要です。最も一般的なのは「特定技能1号」ビザで、このビザではベッドメイキングや客室の清掃、備品管理などの業務が可能です。特定技能ビザを取得するには、日本語能力試験(N4以上)と宿泊業の技能試験に合格する必要があり、労働契約を締結したホテルが受け入れ機関としてサポートすることが求められます。
なお、「技能実習」ビザを活用し、母国で習得した清掃技術を日本で実践しながら学ぶという選択肢もあります。ただし、技能実習制度はあくまで技術習得を目的としているため、長期的な雇用を前提としたものではありません。
このように、技人国ビザではホテルの清掃業務を行うことはできず、適切な在留資格を選ぶことが重要です。ホテル業界で清掃業務に従事したい海外人材は、「特定技能1号」や「技能実習」ビザの取得を検討する必要があります。
ビザの種類 | 業務内容の例 | 条件・要件 | 単純労働の可否 |
技術・人文知識・国際業務(技人国) | ホテルのフロント業務、予約管理、外国語を活かした接客 | 学歴や職務経験が必要、専門性が求められる | 不可 |
特定技能1号 | ホテルの清掃、ベッドメイキング、レストランの配膳 | 一定の日本語能力と技能試験の合格が必要 | 可 |
特定活動 | 留学生のアルバイト、インターンシップ | 条件付きで就労可能(例:留学生の資格外活動) | 可(制限あり) |
技能実習 | 宿泊業界での実務経験(研修目的) | 技能習得後に母国で活かすことを目的 | 可 |
3.海外人材従業員の雇用における注意点

就労ビザで可能な仕事とアルバイトの可否
日本で働く海外人材が取得する就労ビザには、それぞれ従事できる職種が細かく決められています。
就労ビザを持つ海外人材がアルバイトをすることは、基本的に認められていません。就労ビザは特定の職種での就労を許可するものであり、許可されていない業務に就くと違法就労となる可能性があります。
ただし、留学生が取得する「留学」ビザの場合、資格外活動許可を申請すれば、週28時間以内のアルバイトが可能になります。また、「特定活動」ビザの一部では、一定の条件下でアルバイトが認められるケースもあります。
就労ビザの範囲外の仕事に就くことは、ビザの取り消しや強制退去のリスクにつながるため、慎重に行動することが求められます。企業側も、海外人材従業員が適切な業務に従事しているかを定期的に確認し、違法就労を防ぐことが大切です。
採用後のビザ更新と在留資格の管理方法
海外人材労働者を採用した企業は、在留資格の管理とビザ更新の手続きを適切に行う必要があります。就労ビザには有効期限があり、通常は1年、3年、5年ごとに更新が必要です。
更新手続きは、在留期限の3カ月前から申請可能で、期限を過ぎると不法滞在となるため、早めに準備することが重要です。更新の際には、雇用契約書、給与明細、勤務実績の証明書などの書類が求められ、継続的に適法な雇用関係があることを証明する必要があります。
また、企業は海外人材従業員の在留資格を適切に管理し、不法就労を防ぐ責任があります。特に、職種変更や転職の際には、新しい職務内容が現在のビザで許可されているかを確認し、必要に応じて在留資格変更の手続きを行う必要があります。例えば、「技人国」ビザでホテルのフロント業務に従事していた海外人材が、清掃業務に異動する場合、新たなビザを取得しなければ違法就労となる可能性があります。
さらに、ビザ更新に必要な手続きをサポートするために、行政書士や専門のビザコンサルタントと連携する企業も増えています。正しく在留資格を管理し、適切な更新手続きを行うことで、海外人材労働者が安心して働ける環境を整えることができます。
企業側も、従業員の在留資格を定期的に確認し、適正な雇用管理を行うことが求められます。
4.ホテル業界の海外人材採用とビザの今後

海外人材労働者の増加による影響と課題
近年、日本のホテル業界では海外人材労働者の採用が増加しています。特に訪日海外人材観光客の増加に伴い、多言語対応が可能なスタッフの需要が高まっており、フロント業務や接客業務を担う海外人材が増えています。
また、人手不足が深刻な清掃やレストラン業務などでも、特定技能ビザを活用した海外人材の採用が進んでいます。こうした海外人材労働者の増加は、ホテル業界のサービス向上や業務効率化に貢献しています。
しかし、一方で課題もあります。まず、文化や言語の違いによるコミュニケーションの問題が挙げられます。海外人材スタッフが日本語を十分に理解できない場合、接客時のトラブルや業務の伝達ミスが発生することがあります。
また、在留資格の管理やビザ更新の手続きなど、企業側にとって負担となる事務作業が増える点も課題です。さらに、海外人材労働者の定着率が低いケースもあり、せっかく育成しても短期間で離職してしまうことが問題となっています。
これらの課題を解決するためには、海外人材スタッフ向けの日本語研修や、社内でのサポート体制の強化が必要です。また、企業側は在留資格の適正管理を徹底し、海外人材労働者が安心して働ける環境を整えることが求められます。海外人材労働者の増加を効果的に活用するためには、受け入れ側の体制をしっかり整えることが重要です。
5. ホテルで特定技能の優秀な人材を確保する方法

特定技能「宿泊」の人材を確保し、長期的に活躍してもらうためには、適切な採用プロセスと職場環境の整備が欠かせません。その中でも、経験豊富な登録支援機関を活用することが特に有効です。
登録支援機関を活用するメリット
登録支援機関は、特定技能人材の採用から定着までをサポートする専門機関です。具体的には、以下のような支援を提供しています。
適切な人材のマッチング:ホテル業界のニーズに合った人材を紹介
ビザ申請手続きのサポート:在留資格取得の手続きを代行
入国対応と生活支援:住居の手配、日本の生活ルールの説明
職場での教育支援:業務研修、日本語研修の実施
定期面談・トラブル対応:労働環境の確認、課題解決の支援
こうした包括的なサポートにより、企業側の負担を大幅に軽減しながら、スムーズな受け入れを実現できます。
自社で受け入れ体制を整える
登録支援機関のサポートを受けることも大切ですが、最終的にはホテル側が海外人材を定着させる環境を整えることが重要です。具体的には、以下の取り組みを行うことで、海外人材スタッフが安心して働ける環境を作ることができます。
日本語教育のサポート:業務に必要な日本語を学べる環境を提供
日本の接客文化を伝える:マナーやルールを明確にし、混乱を防ぐ
既存スタッフとの交流機会を増やす:コミュニケーションを促進し、チームワークを強化
キャリアパスを明示する:長期的に働く意欲を高めるため、昇進やスキルアップの機会を提供
特に、初めて海外人材を受け入れるホテルにとっては、「まずは登録支援機関を活用し、徐々に自社で支援体制を強化する」 というステップを踏むのがおすすめです。これにより、負担を抑えつつ、海外人材を活かした経営が可能になります。
6.まとめ

日本のホテル業界では、訪日海外人材観光客の増加や人手不足を背景に、海外人材労働者の採用が拡大しています。しかし、適切なビザの取得や在留資格の管理、文化の違いへの対応など、乗り越えるべき課題も多く存在します。
特に、ビザの種類によって従事できる業務が異なるため、企業側は正しい知識を持ち、適切な雇用管理を行うことが重要です。また、海外人材労働者の定着率を高めるためには、職場環境の整備や教育支援が欠かせません。
今後、政府のビザ要件の緩和が進む中で、海外人材労働者の活用方法を慎重に検討し、持続可能な雇用モデルを構築することが求められます。企業が適切な受け入れ体制を整えることで、ホテル業界全体の発展にもつながるでしょう。
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