特定技能で必要な運転免許の種類とは?海外人材採用時のポイントも解説
- sou takahashi
- 6月21日
- 読了時間: 12分

目次:
「免許の種類が多すぎてよくわからない…」「海外人材を運転業務で採用したいけど、どの免許が必要?」——そんな疑問を感じていませんか?日本の運転免許制度は細かく区分されており、特定技能で来日する海外人材やその雇用主にとって、理解しにくいポイントが多くあります。
本記事では、基本の免許区分から履歴書への記載方法、実務上の注意点までを丁寧に解説。免許制度を正しく知ることで、安心・安全な人材活用が可能になります。
1.日本の免許種類とは?基本をわかりやすく解説

運転免許の種類は3つだけ
日本で取得できる運転免許は、大きく分けて3種類しかありません。
「第一種運転免許」「第二種運転免許」「仮運転免許」の3つです。それぞれに明確な用途と特徴があり、目的に応じた免許を選ぶ必要があります。
免許の種類 | 主な用途 | 対象車両 | 特徴 |
第一種免許 | 一般的な運転 | 自家用車・バイクなど | 最も基本的な免許で、多くの人が最初に取得する |
第二種免許 | 旅客運送業務 | タクシー・バスなどの事業用車両 | 職業ドライバー向けで、乗客を運ぶために必要 |
仮免許 | 路上練習用 | 教習中の練習車両 | 本免許取得の途中段階で、路上運転の練習に必要 |
この3種類を理解することで、自分に必要な免許が何かがはっきりします。目的に合った免許を選ぶことが、安全で適切な運転の第一歩となります。
最新の免許区分とその特徴
日本の運転免許制度は、社会のニーズや交通環境の変化に応じて改正されてきました。中でも注目されるのが「準中型免許」の新設です。
2017年の法改正により導入され、18歳以上で取得可能となったこの免許は、従来の普通免許では運転できない2~3トントラックなどをカバーしています。以前は、中型免許を取得するには20歳以上かつ免許取得から2年以上が必要でしたが、この条件を緩和し、若年層のドライバーを早期に育成することが目的です。
これにより物流業界を中心に人材不足の解消が期待されており、企業にとっても新しい選択肢が広がりました。
ただし、準中型は普通免許とは区別されており、運転できる車種にも制限があります。免許区分を正しく把握しておくことで、適正な人材配置が可能になります。
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2.普通免許の種類と準中型免許の違い

普通自動車免許の種類を整理
普通自動車免許には複数の種類が存在し、取得時期や条件によって運転できる車の範囲が異なります。まず基本となるのが「AT限定免許」と「MT免許」です。AT限定はオートマ車のみ運転可能で、MTはマニュアル車も含めた全ての普通車が運転できます。
さらに、2007年と2017年の法改正により「8トン限定中型免許」や「5トン限定準中型免許」といった区分が生まれました。これらは普通免許として取得していても、実際にはより大きな車両も運転できる特例のようなものです。
近年は免許の基準が厳格化され、普通免許で運転できる車両の上限が縮小されているため、取得時期を確認することが重要です。自分がどの種類の普通免許を持っているかは、免許証の裏面にある条件欄で確認できます。
準中型免許の特徴と取得条件
準中型免許は、2017年の法改正で新設された比較的新しい免許です。この免許は、車両総重量が3.5トン以上7.5トン未満、最大積載量が2トン以上4.5トン未満の車両を運転するために必要です。特徴的なのは、18歳以上であれば誰でも取得できるという点です。
以前は中型免許を取得するためには普通免許の保有期間が2年以上必要でしたが、準中型ではその条件がなくなったため、若年層でも早期に物流業界などで活躍できるようになりました。一方で、取得に際しては視力や深視力、色の識別などの厳しい適性条件を満たす必要があります。
また、教習時間や費用も普通免許より多くかかるため、目的に応じて慎重に選ぶことが大切です。特定技能社員が運転業務に携わる際には、準中型免許の取得が大きな武器となるでしょう。
3.免許の種類ごとに運転できる車を知る

各免許で運転できる車の大きさと範囲
運転免許の種類によって、運転できる車の大きさや範囲は明確に決まっています。
免許の種類 | 車両総重量 | 最大積載量 | 乗車定員 | 運転できる主な車両例 |
普通免許 | 3.5トン未満 | 2トン未満 | 10人以下 | 乗用車、小型バンなど |
準中型免許 | 7.5トン未満 | 4.5トン未満 | 10人以下 | 小型・中型トラック |
中型免許 | 11トン未満 | 6.5トン未満 | 29人以下 | マイクロバス、中型トラック |
大型免許 | 11トン以上 | 6.5トン以上 | 30人以上も可 | 大型バス、大型トラック |
牽引免許 | ―(けん引される車両) | ― | ― | トレーラー、タンクローリーなど |
こうした区分は物流や建設、旅客輸送などの仕事に直結するため、自分の業務内容に合った免許の取得が求められます。
日本で最も難しいとされる免許はどれか
難易度が高いとされるのは「大型第二種免許」です。この免許は、旅客運送を目的とする大型バスやタクシーの運転に必要で、安全性が極めて重視されます。取得には21歳以上で運転経験が3年以上必要であるほか、技能試験や適性検査の合格率も低めです。
特に技能試験では、狭いスペースでの車両操作や正確な停止位置、危険予測など、日常運転より高度な技術と判断力が求められます。
また、運転技術だけでなく、乗客の安全を確保する責任感も評価対象となります。自動車教習所でも指導員が慎重に見極めを行うため、短期間での取得は難しい傾向にあります。
プロドライバーとして高い資質が求められるため、多くの人が時間をかけて準備を重ねています。
取得費用が安い免許の種類とは
費用面で最も手軽なのは「原付免許」です。16歳以上であれば誰でも受験可能で、教習所に通わずに試験場で学科試験と適性試験を受けるだけで取得できます。全体の費用は5,000円〜1万円程度に抑えられ、時間も最短で1日程度で済むのが特徴です。
次に安いのが「小型特殊免許」で、こちらも同様に講習と簡単な試験で取得可能です。反対に、普通免許や準中型以上になると、教習所への通学費用や講習料が発生し、数十万円の費用がかかることになります。
運転免許を取得したいが、まずは費用を抑えたいという方にとっては、原付免許は現実的な選択肢です。ただし、運転できる車両が限られているため、目的に合った免許かどうかを慎重に見極める必要があります。
4.運転免許証の種類と色の違い

免許証の色でわかる運転経歴の違い
運転免許証の色は、その人の運転経歴や違反歴を示す大切な情報です。主に「グリーン」「ブルー」「ゴールド」の3種類があり、それぞれの色には異なる意味があります。
免許を取得してから最初の更新まではグリーンで、その後の更新で条件を満たせばブルー、さらに無事故・無違反が続けばゴールドになります。ブルー免許の人でも、違反の有無や経過年数によって更新期間が異なります。これらの色は保険料の割引や優良運転者講習の対象になるかどうかにも関わってくるため、単なるデザインの違いではありません。
雇用主が運転手を採用する際にも、免許証の色をチェックすることで、運転マナーや安全意識をある程度見極める判断材料となります。
運転免許証の表記の見方と読み解き方
運転免許証には、種類や取得日、有効期限、運転可能な車種など多くの情報が記載されています。
まず注目すべきは、免許証の裏面にある「免許の条件等」欄です。ここには「AT限定」や「眼鏡等」といった運転上の制限が明記されています。
また、表面左下の「二・小・原」や「他」の欄には、各車種ごとの取得年月日が記載されており、どの免許をいつ取得したかが一目で分かります。
さらに、免許の種類は正式名称で記載されており、たとえば「普通」だけでなく「中型(8t限定)」など細かい区分が確認できます。これらの表記を正しく読み取ることで、運転できる車両の範囲を把握でき、履歴書記載や雇用判断にも役立ちます。読み方を理解しておくことは、安全運転だけでなく法令遵守にもつながります。
5.雇用や書類作成に使える免許の正式名称

免許の種類の正しい書き方
免許の種類を記載する際は、略語ではなく正式名称を用いるのが基本です。
たとえば、「普通免許」ではなく「普通自動車第一種運転免許」と記載します。AT限定の場合は「普通自動車第一種運転免許(AT限定)」と、カッコを使って明確に示すことが一般的です。中型や準中型免許についても、限定条件がある場合は「中型自動車免許(8t限定)」のように細かく書く必要があります。
免許証に記載されている正式な表現をそのまま記入することが望ましく、読み取りにくい場合は裏面や条件等欄を参照しましょう。企業に提出する書類や公的な申請書では、正確な名称で記載されていないと内容不備と判断されることがあります。
正しい書き方を身につけておくことは、信頼性のある書類作成の第一歩です。
雇用時に確認したい免許情報のチェック方法
運転業務を伴う職種で海外人材を雇用する際は、運転免許の情報を正確に確認することが不可欠です。まず見るべきは、免許証の種類とその限定条件です。
「普通免許」と記載があっても、運転できる車両の範囲は取得時期によって異なるため、「5t限定準中型」や「8t限定中型」といった条件の有無を確認しましょう。また、AT限定でないかどうかも運転対象の車両によっては重要な判断材料になります。
さらに、免許証の色によって運転経歴や違反歴の有無がある程度推測できるため、グリーン・ブルー・ゴールドの違いにも注意が必要です。場合によっては、日本語理解力や交通ルールの知識レベルもチェックすることで、実際の業務でのトラブル防止につながります。
表面的な確認だけでなく、免許の詳細を丁寧に見ることが安全運行と法令順守の基盤になります。
6.日本で運転する際の注意点を運転手・雇用主の両面から

海外人材運転手が守るべき交通ルールとマナー
日本で運転する海外人材にとって、交通ルールとマナーの理解は非常に重要です。日本は左側通行であることや、歩行者優先の文化など、母国と大きく異なる点が多くあります。特に横断歩道では歩行者が絶対優先とされ、車両は必ず一時停止しなければなりません。
また、ウインカーを出すタイミングや車間距離の感覚も厳格に見られるため、慣れるまでは注意が必要です。マナーの面では、割り込みやクラクションの乱用が嫌われる傾向にあり、丁寧な運転が信頼につながります。
運転中のスマートフォン操作や過度なスピードも厳しく取り締まられます。違反が重なると、免許停止や在留資格に悪影響を及ぼす可能性もあるため、事前に研修を行い、現地の運転環境に順応する努力が不可欠です。
雇用主が気をつけたい運転免許の確認と法的責任
海外人材運転手を雇用する企業は、免許の確認だけでなく、雇用主としての法的責任についても正しく理解しておく必要があります。
まず確認すべきは、本人が保有する免許の種類と有効期限、そして条件欄に記載された制限事項です。たとえば「AT限定」や「準中型(5t限定)」などがあると、運転可能な車種に制限がかかります。免許が有効でない状態で運転をさせた場合、会社側も「使用者責任」や「道路交通法違反」に問われる可能性があります。
また、就労ビザの内容が運転業務を含めて問題ないかも確認が必要です。運転業務に関わる際は、保険加入の有無や研修実施の記録も管理し、万が一の事故時に備えることが求められます。形式的な確認だけでなく、日常的な教育やチェック体制の整備が、トラブル回避につながります。
特定技能で運転業務を行う場合の実務上の注意点
特定技能の在留資格を持つ海外人材が運転業務を行う際には、就労内容が制度の範囲内かを明確にしておくことが大切です。特定技能の中で運転業務が明確に認められているのは「自動車運送業分野」です。
他の分野での運転業務は、付随的なものでなければ認められません。そのため、就労内容が在留資格に適合しているかを事前に精査することが必要です。また、車両の管理や運行記録の作成、点呼の実施など、運送業としての法令遵守も欠かせません。
免許区分に合った車種を割り当てることや、日本語能力に応じた指示の工夫も実務上の配慮として重要です。交通事故が発生した際には、企業にも責任が問われるため、制度と実務の両面からの適正な運用が求められます。
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7.まとめ

運転免許は、単に車を運転するための資格にとどまらず、仕事の選択肢や雇用条件に直結する重要な要素です。特に特定技能で来日する海外人材にとって、日本の免許制度を正しく理解することは、安全運転はもちろん、職場での信頼構築にもつながります。
一方で、雇用主にとっても、免許の種類や条件を見誤ると、法的リスクや事故発生時の責任問題が発生する可能性があるため、採用時の確認や教育体制の整備が欠かせません。今後、物流や輸送の人材確保がますます重要になる中で、免許制度を活用した適切な人材配置は、企業の競争力にも影響します。
免許の区分や記載方法、業務との適合性を丁寧に確認することで、海外人材と企業の双方が安心して働ける環境づくりを進めることが求められています。
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