特定技能外国人を採用するまでの流れ|検討から配属までを時系列で解説
- sou takahashi
- 5 日前
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目次:

本記事でわかること
採用までの全体像(検討→配属→初期フォローまでの時系列)
国内在住・海外在住の分岐ポイントと手続きの違い
つまずきやすいポイントと具体的な回避策
採用成功のための事前準備と体制づくりのコツ

1. まず全体像を掴む(時系列ロードマップ)

特定技能外国人の採用は、大きく5つのステップに分かれます。全体の流れを最初に理解しておくことで、「今どこにいるのか」「次に何をすべきか」が明確になります。


2. 検討段階でやること(最初の1週間で決める)

採用活動をスタートする前に、まずは「なぜ特定技能外国人を採用するのか」「どのような人材が必要なのか」を明確にすることが重要です。
2-1. "採用したい理由"を具体化する
漠然と「人手不足だから」というだけでは、採用後のミスマッチにつながります。以下のような視点で、採用の目的を具体化しましょう。
検討ポイント | 内容 |
人手不足の工程 | 繁忙時間帯、夜勤、ライン作業、清掃、接客など |
期待する役割 | 即戦力か、育成前提か、定着重視か |
人数・時期 | 必要人数と期限を明確にし、採用タイムラインを設計 |
2-2. 自社が対象分野に当てはまるか確認する(ざっくりでOK)
特定技能は「職種」ではなく「分野×業務内容」で判断されます。単に「製造業だから大丈夫」ではなく、実際にやらせたい業務が特定技能の対象業務に該当するかを確認する必要があります。

2-3. 採用ルートを決める(国内在住/海外在住)
採用ルートによって、スケジュールや準備内容が大きく変わります。
人材の所在地 | 特徴 |
国内在住 | 技能実習修了者・留学生など。立ち上がりが早い傾向 |
海外在住 | 母集団形成は容易だが、試験準備や在留資格認定、入国手続きが必要 |
目安のスケジュール感
人材の状況 | 目安期間 |
試験・日本語能力取得済み | 比較的早い(約2〜4か月) |
これから試験受験 | 試験準備を含め長期(約6か月〜1年) |

3. 社内合意・体制づくり("採って終わり"にしない設計)

特定技能外国人の採用で最も重要なのが、この「社内体制づくり」です。採用がうまくいっても、受入れ体制が整っていないと定着せず、早期離職につながります。
3-1. 社内で決めるべき3点
受入れ責任者と現場責任者の明確化
受入れ責任者(人事/総務):手続き・支援・届出を統括
現場責任者(配属先):日常業務の指導・コミュニケーション
コミュニケーション手段の整備
やさしい日本語の使い方マニュアル
翻訳ツール(Google翻訳、ポケトークなど)
通訳の手配(必要に応じて)
生活面の支援範囲の決定
住居の手配(社宅・寮・賃貸のサポート)
携帯電話、銀行口座、役所手続きの支援
日常生活のオリエンテーション
3-2. 支援は「自社でやる」か「登録支援機関に委託」か
特定技能外国人には、法律で定められた「義務的支援」を提供する必要があります。これを自社で行うか、登録支援機関に委託するかを決めます。
支援体制 | 特徴 |
自社支援 | 費用を抑えやすいが担当者負担が増加。過去2年間に中長期在留者受入実績があれば対応可能 |
委託 | 運用は安定しやすいが、委託範囲の明確化が重要 |

3-3. 先に現場と握る「禁止・注意業務」
特定技能で最もトラブルになりやすいのが、「業務範囲の逸脱」です。

4. 募集・面談("採用の目利き"はここで決まる)

体制が整ったら、いよいよ候補者の募集と選考に入ります。ここでのマッチング精度が、その後の定着率を大きく左右します。
4-1. 募集チャネルの選び方
採用方法 | 特徴 |
紹介会社経由 | スピードと確度重視。実績ある会社なら候補者の質が安定 |
自社募集 | 工数は増えるがコスト調整しやすい。SNS・自社サイト・外国人向け求人サイトを活用 |

4-2. 面談で見るポイント(履歴書より大事)
特定技能外国人の面談では、スキルよりも「定着するかどうか」を見極めることが重要です。
確認ポイント | 内容 |
日本語力 | 試験点数より現場での理解力を重視(指示出し・作業説明で確認) |
退職・転職理由 | 理由の整合性を確認。短期離職の繰り返しは要注意 |
生活面の不安 | 住居・通勤・家族・借金等を早期把握(離職リスク対策) |
4-3. 事前ガイダンスの考え方
採用後のトラブルの多くは、「聞いてない」「理解してない」から起きます。

5. 契約・在留手続き(ここで躓くと全体が止まる)

候補者が決まったら、雇用契約と在留資格の手続きに入ります。この段階で書類不備や手続きミスがあると、すべてのスケジュールが遅れます。
5-1. 雇用契約で押さえるべき"実務ポイント"
項目 | 内容 |
待遇設計 | 同等業務の日本人と同等以上の報酬が必要。根拠資料(賃金規程等)を準備 |
労働条件 | 労働時間・業務内容・勤務地を明確化し、変更を最小限に |
説明方法 | 書面化し、多言語または平易な日本語で説明 |
5-2. 在留手続きは2パターン(ここだけ分岐)
国内在住か海外在住かで、手続きの流れが大きく変わります。
国内在住の場合:在留資格「変更」の手続き
出入国在留管理局に申請
審査期間:2週間〜2ヶ月程度
海外在住の場合:在留資格「認定」→査証→入国の流れ
在留資格認定証明書の交付申請
認定後、本国の日本大使館・領事館で査証申請
査証取得後、来日
全体で3〜6ヶ月程度かかることも

5-3. 手続きで詰まりやすいチェックポイント
注意点 | 内容 |
書類不備 | 納税証明書・社会保険加入状況・登記事項証明書等の未整備 |
準備不足 | 健康診断書や事前ガイダンス記録の後回し |
要件見落とし | 協議会加入など分野特有の基準未確認 |
6. 配属・初期フォロー(採用成功は"最初の30日"で決まる)

在留資格が許可され、いよいよ配属となります。ここでの受入れ体制が、その後の定着率を大きく左右します。
6-1. 配属初日の型(必ずやること)
初日は「安心感」を与えることが最優先です。
項目 | 内容 |
通勤導線の確認 | 実際に通勤ルートを一緒に確認し、交通機関の使い方を説明 |
職場ルール | 出退勤・休憩・服装・持ち物・禁止事項を明確に説明 |
緊急連絡先 | 困ったときの連絡先・連絡順を共有 |
仕事の教え方 | 口頭説明 → 見本 → 一緒に実施 → 単独実施の順で指導 |

6-2. 生活支援の最初の山場
来日直後(または雇用開始直後)は、生活面の手続きが集中します。
住民登録(市区町村役場)
銀行口座の開設
携帯電話の契約
病院の場所と行き方
ゴミ出しルール、生活マナー

6-3. 面談と定着の仕組み
「問題が起きてから対応」では遅いです。定期的な面談で、小さな不満や疑問を早期にキャッチしましょう。
面談タイミング | 確認内容 |
1週目の面談 | 初日の印象、困りごと、不明点の確認 |
2週目の面談 | 業務理解度、人間関係、生活面の課題 |
1か月後の面談 | 今後の目標、継続的な不安や課題 |
面談は長時間である必要はありません。10〜15分程度の短い面談でも、定期的に実施することで「見守られている」安心感が生まれます。
7. よくあるつまずきポイント(先回りで防ぐ)

ここまでのステップを踏んでも、実際の運用では予想外のトラブルが発生します。よくあるつまずきポイントを事前に把握し、対策を打っておきましょう。





8.結論・まとめ

特定技能外国人の採用は、一般的な採用プロセスとは異なる準備と運用が求められます。しかし、ポイントを押さえれば決して難しいものではありません。

本記事でご紹介したステップを参考に、まずは「検討段階」から一つずつ進めてみてください。不安な点があれば、専門家や登録支援機関に相談しながら進めるのもおすすめです。




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