特定技能外国人材の採用で"外部パートナー"を使うべきケース・使わなくていいケース【2026年最新版】
- sou takahashi
- 5 日前
- 読了時間: 6分

目次:
「登録支援機関に委託すると月3万円かかる。それなら社内でやった方が安いのでは?」
「外部に任せたら、現場との連携が薄れるのでは?」
「でも、法令違反のリスクを考えると不安…」
特定技能外国人材の受入れを検討する経営層・人事責任者の多くが、この判断で立ち止まります。
結論から言えば、この問いの本質は「費用の多寡」ではありません。

この記事では、外部パートナー活用の判断を「感覚」ではなく「フレームワーク」で整理し、自社に最適な選択肢を見極めるための実践的指針を提供します。

1. まず整理:ここで言う「外部パートナー」とは何か

特定技能外国人材の受入れにおいて「外部パートナー」と一口に言っても、その役割は多岐にわたります。まず、何を誰に委託するのかを明確にしなければ、判断がブレます。


1-2. 「監理団体」との違い
技能実習制度における「監理団体」と、特定技能における「登録支援機関」は、制度目的が異なります。

ただし、監理団体が登録支援機関を兼ねるケースもあり、「技能実習からの移行組」は混同しがちです。制度が違えば求められる対応も異なる点に注意が必要です。
1-3. 外部に出しても「最終責任」は企業側に残る

つまり、委託 = 丸投げではありません。
✓ 支援の実施状況を把握する責任
✓ 労働条件・待遇に関する最終責任
✓ トラブル発生時の対応責任

2. 2026年版:義務的支援の"重いところ"はどこか

特定技能1号外国人を受け入れる企業(または委託を受けた登録支援機関)は、10項目の義務的支援を実施しなければなりません。
しかし、この10項目は「やるべきことリスト」として見ると軽く見えますが、実際の運用では想像以上に重いのです。
2-1. 10項目の中で、特に負荷が高い支援


2-2. 「内製のボトルネック」は人件費ではなく"運用設計力"
多くの企業が「担当者を1人置けば回る」と考えますが、実際には:
❌ 兼任担当者だと、繁忙期に支援が後回しになる
❌ 属人化すると、担当者の退職・異動で崩壊する
❌ 記録・エビデンス管理が曖昧だと、監査・確認で指摘を受ける

3. 判断フレーム:外部パートナーを"使うべきか"は7つの質問で決まる

以下の7つの質問に答えることで、自社が「内製で成立するか」「外部パートナーを活用すべきか」が客観的に判断できます。


4. 外部パートナーを使うべき企業の特徴

7つの質問でスコアが低かった企業は、以下のいずれかに該当することが多いです。
4-1. 初めて特定技能を採用する/外国人雇用が初めて

技能実習の経験があっても、特定技能は制度が異なるため、そのまま流用できません。

4-2. 現場が多忙で、支援が「後回し」になりがち
製造業・建設業・介護など、現場が常に繁忙な業種では、支援担当者が兼任であることが多く、「今週は面談できなかった」「オリエンが形式的になった」という事態が頻発します。

4-3. 国籍が複数/拠点が複数で、対応が分散する
ベトナム人、インドネシア人、フィリピン人…と国籍が増えると、言語対応が複雑化します。また、拠点が複数ある場合、各拠点で支援の質が属人化・バラつきが発生します。

4-4. これから採用人数を増やす計画がある

4-5. 過去に早期離職・トラブルがあった
技能実習生や過去の外国人材が早期離職した経験がある企業は、同じ原因(説明不足、相談導線なし、生活基盤の不安定さ)を潰す必要があります。

5. 内製で問題ない企業の特徴

一方で、以下の条件を満たしている企業は、内製でも十分に成立します。
5-1. 実績 + 体制 + 記録が揃っている


5-2. 言語対応ができ、相談窓口が"機能"している
「話せる人がいる」ではなく、「いつ・誰が・どのように相談を受けるか」が明確に決まっていることが重要。
例:
多言語対応の相談窓口(電話・チャット)が設置されている
通訳スタッフが常駐または即座に対応できる体制
5-3. 支援計画・面談・行政対応をルーティン化できている
✓ 支援計画書の作成・更新が形式化されていない
✓ 定期面談が「やっただけ」にならず、記録と改善につながっている
✓ 入管・労基署への報告・対応が滞りなく進む

5-4. "部分委託"が合理的なケース
「全部内製 or 全部委託」の二択にする必要はありません。


6. 失敗しやすいパターン

ここでは、実際に起こりがちな失敗パターンを5つ紹介します。





7. コストとリスクの考え方:月額費用より怖い"見えない損失"

ここまで読んで、「やはり外部委託はコストが…」と感じる経営層もいるかもしれません。
しかし、比較すべきは「委託費 vs ゼロ」ではなく、「委託費 vs 早期離職・法令違反のコスト」です。
7-1. 比較すべきは「委託費 vs 早期離職コスト」

7-2. 法令・運用要領リスクは"後から効く"
支援義務を適切に果たしていない場合:
❌ 入管からの指摘・改善指導
❌ 最悪の場合、受入れ停止・在留資格更新不許可
❌ 労働基準監督署からの是正勧告(労働条件関連)

7-3. ハイブリッド(部分委託)で最適化する考え方
「全部委託 or 全部内製」の二択にしないことが重要です。

8.私たち(GOB)が支援できる範囲
本記事で整理してきた通り、特定技能外国人材の受入れにおける外部パートナー活用は「丸投げ」ではなく、自社で担う部分と外部に任せる部分をどう設計するかが重要です。
GOB(Glory of Bridge)では、以下のような領域を中心に支援しています。
特定技能制度・運用要領を前提とした支援体制・運用フローの整理
登録支援機関としての義務的支援の実務支援(全部委託/部分委託)
初めて特定技能を導入する企業向けの内製化を前提とした設計支援・壁打ち
早期離職・トラブルを防ぐための定期面談・相談導線・記録運用の整備
技能実習から特定技能への移行を含めた制度切替時の整理・リスク確認
いずれも、「すべてを外部に任せる前提」ではなく、企業ごとの体制・人数・現場状況に応じて、必要な部分だけを支援するスタンスを取っています。
外部委託が最適か、内製で成立するか、その中間(ハイブリッド)が良いか。判断に迷う段階での整理・相談から対応可能です。
9.まとめ

「外部パートナーはコストではなく、"運用の安定性とリスクヘッジ"を買う選択である。」
特定技能外国人材の受入れにおいて、外部パートナーを活用するか否かは、「費用の多寡」で決めるべきではありません。
本当に比較すべきは:
委託費 vs 早期離職コスト(採用・教育・再採用・機会損失)
委託費 vs 法令違反リスク(受入れ停止・更新不許可)
委託費 vs 内製化の運用設計コスト(仕組み作り・継続力)
特定技能外国人材の受入れは、単なる「人手不足対策」ではありません。
異なる文化・言語・価値観を持つ人材と共に働く組織を作る、経営課題です。
その実現には、「制度理解」「運用設計」「継続的な支援」の3つが不可欠であり、それを自社で全て賄うか、外部の力を借りるかは、企業ごとの状況によって異なります。
大切なのは、「感覚」ではなく「事実」に基づいて判断すること。
この記事が、その判断の一助となれば幸いです。




コメント