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外国人材はなぜ早期離職するのか?日本企業で起きやすい5つの理由【特定技能にも共通】

  • sou takahashi
  • 1月23日
  • 読了時間: 7分
外国人材はなぜ早期離職するのか?日本企業で起きやすい5つの理由【特定技能にも共通】

目次:



「採用した外国人材が3ヶ月で辞めてしまった」「教育に時間をかけたのに、半年も経たずに退職された」「すぐ辞める人ばかりで、定着しない…」


外国人材の採用が進む中、こうした悩みを抱える企業が増えています。採用コストや教育時間が無駄になるだけでなく、現場の負担も増大し、「外国人はすぐ辞める」という誤ったイメージが定着してしまうことも。



しかし、実際のところ「外国人だから辞める」わけではありません。離職の原因は、言語や文化の違いではなく、受け入れ側の準備不足や支援設計のズレにあることがほとんどです。


この記事では、日本企業で起きやすい外国人材の離職理由を5つのパターンに整理し、採用前後で防げる具体的なポイントを解説します。特定技能外国人の採用を検討している方、すでに雇用しているが定着に課題を感じている方は、ぜひ参考にしてください。


1.外国人材の離職が注目される背景


外国人材の離職が注目される背景

人手不足を背景に、外国人雇用は年々拡大しています。特に特定技能制度の創設(2019年)以降、製造業、外食業、介護、建設など幅広い分野で外国人材の受け入れが進んでいます。


しかし、採用が増える一方で、早期離職=採用・教育コストの損失が顕在化しています。1人の外国人材を採用するには、紹介料、ビザ手続き、渡航費、住居準備、初期研修などで100万円以上のコストがかかることも珍しくありません。


それが3ヶ月や半年で退職となれば、企業にとって大きな損失です。



「すぐ辞める」という印象が先行しがちですが、実際は採用前後の設計や支援不足で発生しやすいことがデータからも明らかになっています。


特定技能の場合も、就労・生活の両面で不安が出ると離職につながりやすく(転職・帰国)、企業側の適切な対応が求められています。


2.結論|離職の原因は「外国人だから」ではなく"構造的なズレ"


結論|離職の原因は「外国人だから」ではなく"構造的なズレ"

本記事の結論を先にお伝えします。外国人材の早期離職は、「外国人だから」「日本語ができないから」という理由ではなく、受け入れ企業側の構造的な問題によって起きています。



つまり、企業が適切な受け入れ設計と支援体制を整えれば、離職は防げるということです。次の章では、日本企業で特に起きやすい5つの離職理由を詳しく見ていきます。




3.日本企業で起きやすい離職理由5つ


日本企業で起きやすい離職理由5つ

外国人材が早期離職に至る背景には、共通するパターンがあります。ここでは、現場でよく見られる5つの理由を解説します。



理由1:言語の壁で「確認できない・相談できない」(業務ミス→孤立)


起きやすい状況


日本の職場では、指示が曖昧なことが多々あります。「なるべく早く」「適当に」「いい感じで」といった抽象的な表現は、日本人同士なら通じますが、外国人材には伝わりません。


  • 指示が曖昧:「なるべく早く」「適当に」「いい感じで」など

  • 専門用語・方言・和製英語が多い(例:「段取り」「アサイン」「テンパる」)

  • 「分かったふり」が起きてもチェックされない


離職につながる流れ



予防ポイント



理由2:入社前後のギャップ(仕事内容・労働条件・生活環境のズレ)


起きやすい状況


採用時の説明と実際の現場にギャップがあると、外国人材は「騙された」と感じてしまいます。特に、仕事内容や残業時間、休日体系、生活環境などは、入社前にしっかりすり合わせておく必要があります。


  • 求人票の表現が抽象的/現場業務と差がある

  • 残業・休日・配属変更などの理解が曖昧

  • 生活面(住居、通勤、地域環境)が想定と違う



予防ポイント



理由3:評価・報酬が不透明(納得感がない)


起きやすい状況


日本企業では、評価基準が曖昧なことが多く、「頑張り」や「姿勢」が重視されがちです。しかし、外国人材にとっては「何をすれば評価されるのか」が分からず、不満につながります。


  • 評価基準が曖昧("頑張り"中心)

  • 昇給・昇格の条件が説明されていない

  • 税・社保控除で「手取りが想定より少ない」と感じる



予防ポイント



関連記事:


理由4:職場での孤立("困った時に誰にも言えない")


起きやすい状況


外国人材は職場でマイノリティになりやすく、孤独を感じやすい環境にあります。相談窓口が不明確だったり、現場が忙しくて声をかけてもらえなかったりすると、孤立感が増します。


  • 相談窓口が不明確

  • 現場が忙しく声をかけてもらえない

  • 小さな違和感(文化・習慣)が放置される


予防ポイント



理由5:キャリア不安(将来像が見えない/成長実感がない)


起きやすい状況


外国人材は、日本で働く目的として「スキルアップ」「キャリア形成」を重視している人が多くいます。しかし、ずっと同じ作業ばかりでスキルが増えなかったり、将来の役割が見えなかったりすると、不安になります。


  • ずっと同じ作業でスキルが増えない

  • 役割が固定でステップがない

  • 在留資格や更新への不安があるのに相談できない


予防ポイント



4.「外国人だから辞める」ではなく、辞める"条件"が揃いやすい


「外国人だから辞める」ではなく、辞める"条件"が揃いやすい

ここまで見てきたように、外国人材の離職理由は「外国人だから」という単純なものではありません。実際には、日本の職場設計そのものに原因があることが多いのです。



外国人材は、仕事を始めると同時に、「生活基盤」も同時に立ち上げる必要があります。住居、銀行口座、携帯電話、病院、買い物など、日本人なら当たり前のことが、外国人材にとっては大きなハードルです。


こうした状況で、職場からの支援が不足していると、不安が増幅し、離職につながりやすくなります。逆に言えば、企業側が支援設計を整えるほど、定着しやすくなるのです。


5.事前に防げるポイント


事前に防げるポイント

離職の多くは、採用前後の準備不足によって起きています。ここでは、実際に現場で使えるチェックリストを2つ紹介します。


採用前にやるべき5つのチェック(ミスマッチ予防)



これらの項目を、採用面接や内定後のオリエンテーションで、具体的に説明することが重要です。口頭だけでなく、書面や写真、動画を使って視覚的に伝えると、より理解が深まります。


入社後30日でやるべき3つ(早期離職の"芽"を摘む)



特に、最初の1週間の手厚いサポートと、1ヶ月後・3ヶ月後の面談は、早期離職を防ぐための必須項目です。この時期に「職場に馴染めない」「相談できない」と感じさせないことが、定着の鍵となります。



6.予防ポイント比較表(NG例 vs OK例)


予防ポイント比較表(NG例 vs OK例)

ここでは、離職を招く「NG対応」と、定着につながる「OK対応」を比較表で整理します。



このように、少しの工夫で、離職リスクを大きく下げることができます。特に、「曖昧さを減らす」「相談しやすい環境を作る」「将来を見せる」という3点が重要です。


7.まとめ|外国人材の定着は「受け入れ設計」で決まる


まとめ|外国人材の定着は「受け入れ設計」で決まる

外国人材の早期離職は、「外国人だから」「日本語ができないから」という理由ではなく、受け入れ企業側の準備不足や支援設計のズレによって起きています。



特定技能外国人の採用を成功させるには、「採用して終わり」ではなく、継続的な支援とキャリア視点を持った育成が必要です。この記事で紹介したチェックリストやポイントを参考に、自社の受け入れ体制を見直してみてください。


外国人材が「ここで働き続けたい」と思える職場づくりは、企業にとっても大きなメリットをもたらします。定着率の向上は、採用コストの削減、現場の負担軽減、そして企業の成長につながります。



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