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執筆者の写真Ayumi Kimura

【特定技能 木材産業分野】拡大分野木材産業!慢性的な人手不足解消に

2019年から始まった特定技能制度ですが当初は12分野でした。しかし、2024年3月に特定産業分野は自動車運送業・鉄道・林業・木材産業の4分野が新たに追加されました。


特定産業分野は、深刻な人手不足が懸念される分野となります。

本記事では、新たに追加された木材産業分野に焦点をあて解説していきます。



 

目次:

 


1.特定技能「木材産業」


特定技能制度に、木材産業分野の追加がされたのは2024年の3月です。以前より懸念されていた、木材産業分野の人手不足を解消するべく、特定産業分野に追加されました。

特定技能外国人を企業で受け入れることによって、人手不足を軽減できるでしょう。


はじめに、特定技能産業分野の概要について解説していきます。


1-1.木材産業分野で特定技能外国人が従事できる業務内容

特定技能外国人が従事できる業務内容は、各分野によって異なります。木材産業分野で認められている従事内容は、製材業・合板製造業等に係る木材の加工等となっています。


さらに上記の業務に加え、関連した業務を付随的に行うことも認められています。


まとめると

・木材の加工・製造・販売等に係る業務

・原材料の運搬や受け入れ

・検査に係る業務

・整理や清掃などの関連業務

となります。


これら以外でも、製材業・合板製造業に関連する付随業務であれば差し支えないとされています。かけ離れた業務に従事させることはできませんが、関連業務であれば融通が効くでしょう。


1-2.目標の受け入れ見込み数

令和6年度から5年間の受け入れ見込み数は最大で5,000人とされています。令和10年度末までの受け入れの上限として定められ、運用することになっています。


受け入れ見込み数は、木材産業分野における特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針で定められており、その決定を裏付ける内容は以下の通りです。


(以下、抜粋)

当該受入れ見込数は、木材産業分野において、令和 10 年度には5万 7,000 人程度の人手不足が見込まれる中、大規模な製材工場等の整備等による生産性向上(これまでの生産性向上のペースを維持したと仮定すると令和 10 年度には4万 4,000 人程度)や、労働負荷の軽減等の人材確保等の取組による追加的な国内人材の確保(令和 10 年度には 8,000 人程度)を行ってもなお不足すると見込まれる最大 5,000 人を1号特定技能外国人の受入れ上限として運用するものであり、過大なものとはなっていない。


令和10年度時点で想定される人手不足の人数を見込んだ上で、国内で確保できる人材を考慮しても足りない人数から算出されたものです。


それが、向こう5年で5,000人は必要になるだろう、と想定し木材産業分野での特定技能外国人の受け入れ上限が5,000人とされました。



2.木材産業分野が特定技能に加わった背景



木材産業分野が特定技能に加わった背景として、特定技能制度の概要を考えれば深刻な人手不足ということがわかります。


では、どの程度なのか実際の木材産業分野の現状や、それに対して行なっている施策の詳細を確認していきましょう。


2-1.木材産業分野の現状

人手不足が深刻化していると言っても、多くの産業で人手が足りないと囁かれています。木材産業分野の現状としてどのようなことになっているのでしょうか。





1985年から2015年までの木材産業における従事者数は年々減少傾向にあります。

1985年では330,676人の従事者数に対し、2015年では117,960人まで減っています。これは、1985年と比べ64%減少しているのです。


次に、若年者率と高齢化率を見てみます。


若年者率は1985年で全体の17%、2015年では全体の20%となっており、若干増えて入るものの、ほぼ横ばいとなっています。

一方で高齢化率は、1985年から2015年の30年間で10%も増加しています。年々高齢化が進んでいることが見受けられます。


深刻な人手不足の原因として、従事者が少ないだけではなく、入職者数と離職者数も挙げられます。


入職者と離職者について、その年によって人数は異なるものの、全体を通して入職者数よりも離職者数の方が上回っています。

木材産業の人手不足解消のために、入職者を増やすだけではなく定着率を上げる必要があると言えるでしょう。


※従業員数について、農林水産省では、平成29年調査から木材産業の動向として、製材業、合単板製造業、木材チップ製造業の従業者数の把握を廃止しています。

2015年までの木材産業における従事者数について確認できる資料より参考、引用、抜粋しています。



2-2.木材産業分野が人手不足解消に向けての課題

木材産業において、人手不足解消するための課題としては、労働力の確保や雇用の安定化が挙げられます。


この2つの課題を乗り越えるために、生産性の向上や安全な労働環境の整備を行うことも必要です。


人手不足解消のために、労働力の確保、人材の育成が重要です。高齢化が進んでいる現状でも、リタイアせずに働ける環境を作ることや、女性従事者を増やせるように環境改善が必要になってくるでしょう。


環境改善においては、重作業の軽減化や業務の細分化をすることで高齢者や女性が長く活躍できる場が作れます。


能力に応じた人材の配置と評価をすることで、自身がより活躍できる場で働くことによる労働意欲の向上にも繋がるでしょう。


また、労働環境も危険なものから安全に行えるように整備することも大切です。高性能な機械を導入したり、技術講習や安全衛生計画を策定し実施することにより、労働災害の発生率を減少させることもできます。


雇用の安定化は、労働環境や仕事の評価、雇用条件の柔軟化で解決できる部分も少なくありません。


これは、特定技能外国人を受け入れても同様です。


入職してくれても、厳しい労働環境の下では離職してしまう可能性があります。このような課題を解決しつつ、新たな労働力として、受け入れられるよう準備するのが良いでしょう。


もちろん、一企業だけではなく木材産業全体の課題にもなります。しかし、深刻な人手不足を解消するために少しずつ改善していかなくてはならないのです。


さて、木材産業の人手不足の原因やその課題について確認してきましたが、さまざまな改善策が挙げられます。手っ取り早く人手不足を解消するのであれば、人材を入れるのが有効です。


企業として「特定技能制度」を利用し、外国人を雇い入れるのも根本的な改善に繋がらないとしても、個々の負担が減り在籍している従業員が働きやすくなる可能性も少なくありません。


特定技能制度や、外国人労働者を受け入れるために必要な基礎知識について、確認していきましょう。


3.特定技能の基礎知識


特定技能で外国人を雇い入れるために、どのような制度なのか知っておくと良いでしょう。特定技能は、いくつか分野がありますが異なるのは従事できる内容や分野ごとの評価試験です。


特定技能制度や、特徴について解説していきます。


3-1.特定技能とは

特定技能の概要として、人手不足を解消することが目的とされています。人材確保が困難とされる分野を対象とし、専門性が技術を有する外国人を受け入れるための制度となっており、2019年に創設されました。


特定技能における分野は2024年に新たに4分野追加され、現在は16分野となっています。

木材産業分野は、2024年に追加された分野の一つです。


現在特定技能の分野は以下のとおりとなっています。

①介護

②ビルクリーニング

③素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業

④建設

⑤造船・舶用工業

⑥自動車整備

⑦航空

⑧宿泊

⑨農業

⑩漁業

⑪飲食料品製造業

⑫外食業

↓2024年に追加された分野

⑬自動車運送業

⑭鉄道

⑮林業

⑯木材産業


特定技能は1号と2号があり、1号より2号の方がより専門性や知識、熟練度が求められています。


木材産業は現在特定技能1号のみとなっています。


3-2.特定技能の特徴

特定技能は人材確保が目的となっています。そのため、求められる知識や技能、日本語能力も一定水準必要です。


また、在留期間も以前からある技能実習と異なり長く、2号になると在留資格の更新上限がないというのも特徴です。


特定技能1号は、在留期間が通算5年までとされており、更新は4ヶ月、6ヶ月、1年となっています。


技能水準は、従事する分野で異なりますが、相当程度の知識もしくは経験を必要とします。

企業側は、受け入れる外国人に対し、滞りなく仕事に従事するためにさまざまな支援が必要となり、支援計画の提出が義務付けられています。


また、特定技能1号では、永住権の取得ができず、家族の帯同も認められていません。


4.外国人が特定技能木材産業分野で在留資格を取得するために必要な条件



特定技能「木材産業」の在留資格を取得するために、技能評価試験と日本語能力テストに合格する必要があります。技能評価試験の概要と、日本語テストについて確認していきましょう。


4-1.技能評価試験に合格する

木材産業特定技能1号測定試験では、以下の内容が求められます。


「木材加工、安全衛生等について基本的な知識を有しており、また各種作業について、安全の確保を図りつつ一定時間内に正しい手順で的確にできるレベルであること」


試験は、日本語(ひらがな、カタカナ、ふりがなを付した漢字)で行われ、農林水産省が選定した機関で実施されます。


実施方法として、CBT方式、もしくはペーパーテスト方式となっています。


4-2.日本語能力テストに合格する

テストは2種類あり、どちらかを合格すれば良いとされています。


試験では、基本的な日本語を理解することができると認定されます。ある程度日常会話ができ、生活に支障がない程度の能力があると認められ、特定技能制度において、必要となる基本的な日本語能力水準を有するものと評価されます。


①日本語能力試験(N4以上)

N4では、基本的な語彙や漢字を使って書かれた日常生活の中でも身近な話題の文章を読んで理解することができる。

日常的な場面で、ややゆっくりと話される会話であれば内容がほぼ理解できる。


となっており、企業に就職した際に問題なく業務を遂行できるレベルと考えられます。


②国際交流基金日本語基礎テスト

就労のために来日する外国人がある程度日常会話ができ、生活に支障がない程度の能力があるかどうかを判定することを目的としたテストです。


国際交流基金日本語基礎テストでは、A2相当のレベルであれば問題ないとされています。

A2相当は、ごく基本的な個人情報や家族情報、買い物や仕事など直接関係がある領域に関する、よく使われる分や表現が理解できる。


簡単で日常的な範囲なら身近な日常の事柄についての情報交換に応ずることができるレベルとなっています。


4-3.技能実習2号を良好に修了している

技能評価試験や日本語能力テストを免除されるケースがあります。


技能評価試験が免除されるケースとして、

木材加工職種:機械製材作業の第2号技能実習を良好に修了した者です。


技能実習2号で習得する技能と特定技能1号で従事する業務に必要とされる技能が基本的な知識や経験に基づくものとされ、関連性があると認められるからです。


また、日本語能力においても、技能実習2号を良好に修了した場合、技能実習生として良好に3年程度日本で生活したことである程度日常会話ができ、生活に支障がない程度の日本語能力水準があると認められ、試験が免除されます。


5.特定技能木材産業で雇用するための企業側の要件


特定技能外国人を雇い入れるためには、企業側にも要件を満たさなくてはなりません。

木材産業分野における特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針では、以下のとおり定められています。


・木材産業特定技能協議会の構成員になる

・協議会における協議に沿った措置を行うこと

・協議会に必要な協力をすること

・農林水産省とその関係者が行う調査等に必要な協力をすること

・登録支援機関に委託する際は農林水産省と協議会に必要な協力を行う機関に委託すること


また、特定技能外国人の雇用形態は直接雇用に限るものとされています。


これらの要件を満たすために、受け入れ前に再度確認するようにしてください。



6.特定技能外国人の受け入れ手順



特定技能外国人を受け入れの手順は、国内での転職か国外から呼び寄せるかで変わってきます。


国内での転職の場合は、

①募集や面接を行う

②雇用契約の締結をする

③特定技能支援計画書を作成する

④在留資格変更申請を行う


在留資格の変更が完了すれば、就業が開始できます。


国外から呼び寄せる場合は、

①〜③までは同様ですが、在留資格変更申請ではなく、在留資格認定申請を行います。

その後ビザを申請し、交付後来日→就労開始の流れとなります。


7.木材産業分野に特定技能外国人の雇用を


木材産業分野は、新たに特定技能制度に加わった分野です。始まったばかりとなっているため、まだ不明瞭な部分も少なくありません。


しかし、人手不足解消や個々の負担を軽減し、人材の安定した定着を求めるのであれば、特定技能外国人を雇い入れ企業内に新たな風を吹き込むことも必要でしょう。

特定技能制度や在留資格に関して、どのようなものがあるのか雇いたいけどどうしたら良いのかわからないという場合は、ぜひご相談ください。


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