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特定技能外国人材の採用は"何人から"検討すべきか?人数設計とスモールスタート戦略

  • sou takahashi
  • 1月17日
  • 読了時間: 6分
特定技能外国人材の採用は"何人から"検討すべきか?人数設計とスモールスタート戦略

目次:


人手不足が慢性化する中で

「特定技能を検討したいが、何人から始めるのが正解か分からない」

という悩みが増えています。


特定技能は企業ごとの一律上限が原則ない(※分野により例外あり)ため、逆に「設計」が重要になります。




1.なぜ「何人から」が重要なのか


1.なぜ「何人から」が重要なのか(人数設計=コストと定着の分岐点)

特定技能は「採用できるか」より「運用できるか」で失敗する


特定技能外国人の採用において、多くの企業が陥る落とし穴は「人数を決めずに採用を始めること」です。在留資格手続き、支援体制、現場教育、生活フォローが"運用コスト"として発生し、これらが適切に設計されていないと、採用後に大きな問題が発生します。


人数が少なすぎると外国人材が孤立し、多すぎると教育負荷で現場が混乱します。「何人採用するか」は、経営判断そのものなのです。



人数で変わる3つのコスト


特定技能外国人の採用人数によって、以下の3つのコストが大きく変動します:



つまり、人数設計は単なる「何人雇うか」ではなく、「どう運用するか」の全体設計に直結します。


2.1人採用のメリット・リスク


1人採用のメリット・リスク(「検証型」導入)

1人採用のメリット



1人採用のリスク(ここが落とし穴)


しかし、1人採用には大きなリスクも潜んでいます:



1人採用が向くケース(判断条件)


以下の条件をすべて満たしている企業は、1人採用からのスタートが合理的です:




3.複数人採用のメリット・リスク


複数人採用のメリット・リスク(「安定運用型」導入)

複数人採用のメリット


複数人を同時または短期間で採用する場合、以下のメリットが生まれます:



複数人採用のリスク


しかし、準備不足のまま複数人を採用すると、以下のリスクが顕在化します:



複数人採用が向くケース(判断条件)


以下の条件を満たしている企業は、複数人採用が効果的です:



4.業種・規模別の考え方


業種・規模別の考え方(「何人から」の目安を作る)

ここでは、業種ごとの特性を踏まえた「人数設計の考え方」を提示します。断定ではなく、判断の型と要素を示すことで、自社に合った人数を決める材料にしてください。


飲食料品製造・工場系:1〜複数の判断軸



考え方の型:「教育者1名あたり何名まで見れるか」で上限を決める。例えば、教育担当1名が同時に教えられるのは2〜3名まで、といった基準を設定します。


外食・宿泊・サービス系:日本語と現場混雑がボトルネック


接客業では、日本語コミュニケーション能力が重要になります。このため、以下の設計が有効です:

  • まず裏方業務中心で設計する:調理補助、清掃、仕込みなど、日本語負荷が低い業務からスタート

  • 段階的に接客へ移行:日本語能力と現場慣れに応じて、徐々にホール業務などへ展開

  • 1人採用はリスクが高い:教育が属人的になりやすく、接客トラブルが発生しやすい。できれば2名以上でスタート


介護・建設:ルール/要件が厳しい前提で人数設計



中小企業・初導入:失敗しないスタートラインの考え方




5.スモールスタートが有効なケース


スモールスタートが有効なケース(段階的に増やす設計)

スモールスタートの基本形(例)


特に初めて特定技能外国人を採用する企業には、以下の3ステップ設計が効果的です:



スモールスタートでも失敗するケース



6.人数設計で失敗しないための視点


人数設計で失敗しないための視点(チェックリスト化すると強い)

人数を決める前に、以下の5つの視点をチェックすることで、失敗リスクを大幅に減らせます。


視点1:業務の切り出し(任せる業務を最初から絞る)


初期は「定型作業×安全×言語負荷低め」に寄せることが重要です。

  • 現場で必須の指示語・安全用語を定義:「止まれ」「危ない」「確認」など、生命に関わる言葉は最優先で教育

  • 視覚的に理解できる業務から始める:見本を見せて真似する作業は言語負荷が低い

  • 段階的に業務を拡大:慣れてきたら徐々に応用業務へ


視点2:教育体制の設計("教育できる人数"が採用上限)


「採用したい人数」ではなく、「教育できる人数」が実質的な上限です。




視点3:支援体制の設計(1号は特に重要)


特定技能1号は、義務的支援(10項目)の実施が法律で定められています。



判断基準:自社に多言語対応できる人材がいない、または人数が多い場合は、登録支援機関への委託が現実的です。


視点4:定着の設計(離職理由を"事前に潰す")


離職理由の多くは、事前に予測・対策可能です。



視点5:増員判断のKPI(増やす前に確認する指標)


スモールスタート後、増員するかどうかは以下のKPIで判断します。



これらのKPIがクリアできていれば、増員しても運用が回る可能性が高いです。逆に課題が残っている場合は、増員前に改善が必要です。



7.専門家に相談すべき判断ライン


「専門家に相談すべき判断ライン」(相談導線の核)

以下のケースに該当する場合は、自社だけで判断せず、専門家(登録支援機関、行政書士、社労士など)に相談することを強く推奨します。


相談ライン1:分野要件・管理ルールが絡む(介護・建設など)


建設分野や介護分野は、受入人数制限や特殊な要件があります。



以下のケースに該当する場合は、自社だけで判断せず、専門家(登録支援機関、行政書士、社労士など)に相談することを強く推奨します。


相談ライン1:分野要件・管理ルールが絡む(介護・建設など)


建設分野や介護分野は、受入人数制限や特殊な要件があります。


相談ライン2:初導入で2名以上を同時に採りたい


初めての外国人採用で、いきなり複数人を同時に受け入れる場合、受入設計(住居・教育・支援)を同時に組む必要があります。

「採ってから整える」は事故率が高いです。事前に専門家と設計を詰めることで、リスクを大幅に減らせます。


相談ライン3:離職が出た/定着が不安


既に特定技能外国人を採用しているが、離職が発生した、または定着に不安がある場合、原因は採用より"運用"にあることが多いです。

  • 現場課題の特定(コミュニケーション、教育方法、生活面のトラブル等)

  • 支援設計・配置設計の見直し

  • 登録支援機関の変更や追加サポート導入の検討

専門家が第三者視点で現場を見ることで、気づかなかった課題が浮き彫りになります。


相談ライン4:将来的に2号や長期雇用を見据える


特定技能2号への移行や、永住権取得を視野に入れた長期雇用を考えている場合、キャリアパス設計(育成・日本語・評価)を早期に組む方が合理的です。





8.まとめ


まとめ

1. 「何人から」の答えは一律ではなく、運用キャパ(教育×支援×住居)で決まる

採用したい人数ではなく、運用できる人数が実質的な上限。教育担当者の人数、住居のキャパ、支援体制の整備状況から逆算して決定しましょう。


2. 1人は検証向き、複数人は安定運用向き。ただし準備不足だと逆効果

1人採用は初期コストを抑えられる反面、孤立リスクがあります。複数人採用は相互支援が生まれる反面、教育負荷が高まります。自社の状況に合わせて選択しましょう。


3. まずはスモールスタートで"仕組み"を作り、増員はKPIで判断する

初めての外国人採用では、まず1〜2名でスタートし、運用の仕組みを整備。独り立ち率、欠勤率、事故件数、教育担当者の負荷などのKPIをクリアしてから増員を検討しましょう。


4. 建設・介護など特殊要件がある分野、または複数人同時採用の場合は、専門家に相談を

自社だけで判断せず、登録支援機関や専門家の知見を活用することで、失敗リスクを大幅に減らせます。


本記事が、御社の特定技能外国人材採用の人数設計に少しでもお役に立てれば幸いです。


ご不明点やご相談がございましたら、お気軽にお問い合わせください。



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