普通免許から中型・大型免許を取得する方法|費用・期間・特定技能との関係も解説
- sou takahashi
- 7月31日
- 読了時間: 15分

目次:
中型・大型免許の取得は、物流や建設分野で活躍の場を広げる大きなチャンスです。特に海外人材の採用を検討する企業や、特定技能制度に関心のある方にとって、免許取得は即戦力化・キャリアアップの鍵となります。
本記事では、普通免許からのステップアップ方法や取得条件、助成制度の活用法までを、初めての方にもわかりやすく解説します。
1.普通免許から中型・大型免許を取得するための条件と違い

年齢・運転経歴の基準と例外
中型免許や大型免許の取得には、年齢と運転経歴に関する明確な条件が設けられています。これらの条件を満たしていないと、教習所に入校すらできないため、事前確認は必須です。
免許区分 | 年齢要件 | 運転経歴要件 | 備考 |
中型免許 | 満20歳以上 | 通算2年以上 | 普通免許取得後、2年経過している必要あり |
大型免許 | 満21歳以上 | 通算3年以上 | 普通・準中型・中型などの一種免許が対象 |
中型免許(特例) | 満19歳以上 | 通算1年以上 | 特定教習制度に対応した教習所でのみ取得可能。受講人数制限あり |
教習を受ける際は、自分の年齢と運転歴が基準を満たしているか、事前に教習所へ問い合わせて確認しましょう。
普通・準中型・中型・大型免許の違い
日本の自動車免許制度では、運転できる車両の大きさや重量に応じて、普通・準中型・中型・大型の4種類に分かれています。免許の種類によって運転できる範囲が大きく異なるため、自分の目的に合った免許を選ぶことが大切です。

車両サイズや仕事の種類に応じて、どの免許が必要かを判断することが、無駄のない免許取得につながります。
中型8t限定・昔の普通免許の扱いとは
2007年6月以前に普通免許を取得した方は、現在の免許制度と異なる「中型8t限定」という資格を自動的に持っています。これは、制度改正によって生まれた“経過措置”で、今でも有効です。
項目 | 内容 |
運転可能な車両範囲 | 車両総重量8トン未満、最大積載量5トン未満の中型車 |
代表的な該当車両 | 2トントラック、一部の配送用中型車両など |
限定解除が必要なケース | 8トン超の中型車(例:4トン超の大型配送トラック)を運転する場合 |
限定解除の方法 | 教習所で中型免許の技能教習+卒業検定を受ける |
確認方法 | 免許証裏面の条件欄に「中型車は中型車(8t)に限る」と記載されていれば該当 |
誤って制限を超えた車両を運転してしまうと、重大な法令違反になります。自身の免許区分と運転可能な範囲を正確に把握することが、安全運転と法令遵守の第一歩です。
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2.中型・大型免許の取得方法と費用・期間の目安

教習所・合宿の通い方と流れ
中型・大型免許の取得方法には、大きく分けて「通学制の教習所」と「合宿制」の2つがあります。それぞれの特徴を理解することで、自分に合ったスタイルを選びやすくなります。

通学制では、自宅や職場から通える範囲の教習所に申し込み、スケジュールを自分で調整しながら通うスタイルです。平日・土日など希望する日時に教習を受けられるため、仕事や家庭と両立したい人に向いています。ただし、人気の時間帯は予約が取りづらいこともあります。

一方、合宿制は一定期間、指定された施設に滞在しながら集中的に教習を受ける方法です。スケジュールはすべて組まれており、連日教習をこなして最短10日〜14日程度で卒業できるプランもあります。まとまった休みが取れる方や短期間で取得したい方にはおすすめです。
流れとしては、どちらも次のようなステップで進みます:
教習所に申込・入校(視力検査・適性検査を含む)
所持免許に応じた教習(技能・学科)を受講
卒業検定に合格
免許センターで適性試験と交付申請
自分の生活スタイルや予算、取得までの希望期間に応じて、最適な通い方を選びましょう。

必要な費用と取得までの期間
中型・大型免許の取得にかかる費用は、選ぶ教習所や所持免許の種類、通学か合宿かによって変わります。大まかな相場を知っておくことで、計画的な準備がしやすくなります。

費用や期間の見積もりは教習所によって異なるため、複数の教習所から資料を取り寄せて比較するのがおすすめです。
学科試験・技能講習の内容と対策方法
中型・大型免許を取得するためには、技能講習だけでなく学科試験にも対応する必要があります。ただし、すでに普通免許を持っている場合は、学科が一部または全て免除になるケースもあります。

注意すべき点として、「深視力検査」があります。これは距離感を測る検査で、大型・中型免許取得には不可欠です。苦手な方は、事前に練習用機器がある眼鏡店や教習所で慣れておくと良いでしょう。
焦らず、一つひとつの課題を確実にクリアしていくことが合格への近道です。
3.海外人材と中型・大型免許の関係性

特定技能制度と中型・大型免許の接点とは
特定技能制度の中には、中型・大型免許が間接的に活用できる分野があります。特に「特定技能1号(産業分野別)」に該当する業種の中で、運転技術が求められるケースが増えています。
たとえば、物流や建設、農業などの現場では、トラックや作業車両の運転業務を伴うことが少なくありません。現時点で「運転業務単体」は特定技能の対象職種ではないものの、これらの業界において中型・大型免許を持つ海外人材は、現場の即戦力として高く評価される傾向にあります。
また、企業側が「特定技能人材に免許を取得させることで、業務の幅を広げる」という活用も実際に行われています。運搬業務や現場間の資材輸送など、付随的な業務であれば就労範囲に含まれる場合もあるため、実務上の柔軟性が生まれるのです。
ただし、在留資格の活動内容に合致していることが大前提となります。業務範囲や役割設計については、事前に行政書士や入管への確認を行うことが重要です。
海外人材が日本で免許を取る際の注意点
海外人材が日本で自動車免許を取得する際には、いくつかの特有の注意点があります。国内での運転が可能になるためには、「日本の教習所で免許を新規取得する」か「海外免許を切り替える」「国際免許証取得する」という3つの方法があります。

まず、日本国内で新たに中型や大型免許を取得するには、有効な在留資格が必要です。たとえば「特定技能」や「技術・人文知識・国際業務」など、在留活動に制限のない資格であることが条件となります。
また、在留期間が一定以上残っていなければ、教習の途中で期限切れになる恐れもあるため注意が必要です。
一方、母国で取得した運転免許を日本のものに切り替える「外国免許切替制度」も存在します。ただし、これは中型・大型免許にはほとんど適用されません。たとえ切替が認められても、普通免許相当までであることがほとんどです。

さらに、深視力や日本語での筆記試験・技能試験もあるため、日本語の読解力や事前学習が不可欠です。教習所によっては外国語に対応していないところも多く、通訳手配や外国語教材の有無なども事前に確認しておくべきポイントです。
安全かつスムーズに免許を取得するためには、教習所選びと在留資格の確認が成功の鍵となります。
技能実習・留学・在留資格と免許取得の関係
在留資格によって、日本国内で自動車免許を取得できるかどうかは大きく変わります。特に技能実習生や留学生の場合、免許取得の可否や制限事項を正しく理解しておく必要があります。
在留資格区分 | 教習所通学 | 免許取得の可否 | 備考 |
技能実習 | 条件付き可 | 実習に必要であれば可 | 実習計画に運転業務が含まれている場合に限り、取得が認められることがある |
留学生 | 条件付き可 | 一般的に不可 | 教習所通学は可(資格外活動内)、免許取得後の有償運転は原則NG |
特定技能 | 可 | 可 | 免許取得・業務使用ともに可能(就労内容に応じて) |
永住者・定住者等 | 可 | 可 | 制限なし。自由に教習・取得・業務使用が可能 |
在留資格の条件を正確に理解しておかないと、後になって業務に支障が出る可能性もあるため、受け入れ前の確認と情報共有が不可欠です。
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4.中型・大型免許はどの分野で活かせるのか

物流・運送業で必要とされる免許区分
物流・運送業では、運転する車両の大きさに応じて必要な免許区分が明確に定められています。配属される業務や会社の車両規模により、求められる免許は異なります。
車両の種類 | 代表的な例 | 必要な免許区分 | 主な用途 |
小型トラック | 2トントラック | 準中型免許 | 食品・日用品の配送、近距離輸送など |
中型トラック | 4トントラック以上 | 中型免許 | 都市間輸送、建材・雑貨の大量運搬など |
大型トラック類 | トレーラー・10t車両等 | 大型免許 | 長距離輸送、大型貨物の搬送など |
長距離輸送、冷凍食品の大量配送、港湾コンテナ輸送など、大型車両を扱う業務では欠かせない存在です。大型免許保持者は依然として不足しており、企業側は取得者に高い報酬を用意することも珍しくありません。
海外人材を採用する際も、どの業務にどの車両を使うのかを明確にし、それに応じた免許取得支援の検討が効果的です。
農業・建設分野での運転業務ニーズ
農業や建設業においても、運転業務は重要な役割を担っています。特定技能や技能実習の受け入れが進む中で、現場では海外人材による車両運転のニーズも増えています。
農業分野では、収穫物の出荷や農機具の移動などにトラックが使用されることがあります。

軽トラックであれば普通免許で対応可能ですが、農協や出荷拠点への大量搬送には中型車両が必要になることもあります。中型免許があれば、作業の幅を広げられるだけでなく、スタッフ間の業務分担も柔軟になります。
建設分野ではさらに幅広い運転スキルが求められます。

たとえば、ダンプカーや資材運搬用トラックなどの運転には中型・大型免許が必要です。重機は別途「車両系建設機械」などの資格が必要ですが、現場間の移動や工事資材の輸送はトラックが担うため、運転可能なスタッフの有無が工程に直結します。
現場では「免許保持者が1人いるだけで作業が円滑に進む」と言われることも多く、人材の戦力化には欠かせない要素といえます。
特定技能「運転」に近い業務例とは
現行の特定技能制度には「運転業務」単体で該当する職種はありませんが、実務上、運転と深く関連する業務は複数存在します。これらを理解しておくことで、海外人材の活用範囲をより広げることができます。
業種 | 運転が関わる業務例 | 備考(運転業務との関連) |
建設分野 | 資材・工具の運搬(トラック使用) | 現場作業の一環として「付随的業務」として認められることがある |
農業分野 | 作物の出荷・市場への運搬 | 軽〜中型トラックを使用する場面が多い |
物流分野 | 配送助手・荷物の積み下ろし、将来的な運転担当 | 採用後に中型・大型免許を取得させる企業が増加中 |
ただし、在留資格で認められた活動範囲から逸脱しないよう、業務設計は慎重に行う必要があります。行政書士や入管と連携しながら、安全かつ合法的に運転業務を任せられる体制を整えることが大切です。
5.企業が海外人材に免許取得を支援するメリット

助成金や補助制度を活用する方法
中型・大型免許の取得には費用がかかりますが、助成金や補助制度を上手に活用すれば、企業や個人の負担を軽減することが可能です。とくに海外人材の採用・育成に取り組む企業にとっては、大きなメリットとなる支援策がいくつか用意されています。

代表的なのは「教育訓練給付制度」です。これは雇用保険に加入している従業員(原則1年以上の加入)を対象に、教習費用の一部が還付される制度です。厚生労働省の指定講座に該当する教習プランであれば、費用の最大20万円または40%が支給されます。
さらに、「人材開発支援助成金(人材育成コース)」では、企業が従業員に対して実施する免許取得支援にも補助が出ます。この制度は特に若年層や技能向上を目的とした訓練に対して手厚い支援があり、中型・大型免許の取得も対象に含まれる場合があります。
また、自治体によっては地域限定の支援金や、海外人材向けの職業訓練助成などを用意しているところもあります。助成対象や申請方法は制度によって異なるため、利用を検討する際にはハローワークや各自治体、厚労省の公式情報で詳細を確認しておくと安心です。
海外人材の戦力化と定着につながる支援とは
海外人材を採用した後、職場に定着し、即戦力として活躍してもらうには、企業側の「育成支援」と「制度的なフォロー」が重要です。
特に中型・大型免許の取得支援は、その人材の活躍の幅を広げるだけでなく、離職率の低下にもつながります。
支援内容 | 効果・メリット |
免許取得の機会提供 | キャリアアップ意欲・業務モチベーションの向上 |
日本語・交通ルールの学習支援 | 理解力向上による事故防止、職場の安心感アップ |
安全運転研修・通訳・マニュアル整備 | 実務対応力の強化、言語の壁を低減 |
教習費用の一部負担、業務調整の配慮 | 企業への信頼感の醸成、定着率の向上 |
こうした支援が、長期的な定着と人材育成の成功を後押しするポイントです。
教習所選びで重視すべきポイント
海外人材に中型・大型免許を取得させたいと考える場合、教習所の選び方は非常に重要です。単に「通える距離にあるか」だけでなく、海外人材対応の有無や教習内容の柔軟性など、複数の観点から比較検討する必要があります。

第一に確認したいのが「外国語対応の有無」です。外国語に対応した教材や通訳の有無は、学習の理解度に大きく影響します。教習内容が日本語中心の場合、受講生が内容を正しく理解できずに不合格となる可能性もあるため、できる限り海外人材サポートが整っている教習所を選ぶのが理想です。
次に、「教育訓練給付制度などの助成制度に対応しているか」もチェックポイントです。制度の対象講座として登録されていない教習所では、補助金の申請ができない場合もあるため、事前の確認は必須です。
さらに、合宿形式か通学形式かも検討材料になります。長期休暇を取って短期間で集中して取得させたい場合は合宿型、仕事と並行して学ばせたい場合は通学型が適しています。教習所によっては、企業単位で受け入れ対応をしてくれるところもあります。
教習所選びに失敗すると、費用・時間・定着率すべてに影響を及ぼすため、信頼できる教習所をリストアップし、事前に見学や問い合わせを行うことが成功の鍵となります。
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6.採用担当者が押さえておきたい免許の基礎知識

海外人材採用時に確認すべき免許条件
海外人材を運転業務に就かせたい場合、採用前に確認すべき免許条件は複数あります。特に「どの国で取得した免許か」「日本で有効かどうか」は、最初に明確にしておくべき重要なポイントです。
確認項目 | 内容 |
保有免許の有効性 | ジュネーブ条約加盟国の免許は一時的に有効(国外運転免許証扱い)。中型・大型は日本での取得が原則。 |
在留資格と運転業務 | 技能実習生・留学生は原則運転業務不可。特定技能・技人国などは職務内容により可能なケースあり。 |
採用前の確認ポイント | 「免許の種類」「在留資格の制限」「将来的な免許取得の意思・可能性」を面接時に確認しておくとトラブル防止に有効。 |
採用前に「保有免許の種類」「在留資格の制限」「これから取得予定か否か」といった点を丁寧に確認することで、採用後のトラブルや不適合を避けることができます。
採用後に免許を取得させる際の流れ
海外人材を採用した後に中型・大型免許を取得させる場合、企業側が流れを把握し、段階的にサポートすることが大切です。取得までの道のりは決して短くはありませんが、しっかりと準備すれば着実に進められます。
ステップ | 内容 |
① 年齢・運転歴の確認 | 中型:20歳以上・運転歴2年以上/大型:21歳以上・運転歴3年以上が必要 |
② 教習所選び | 外国人対応・助成金対象の教習所を選定 |
③ スケジュール調整 | 合宿または通学スタイルで企業が通学を支援 |
④ 教習・試験 | 技能・学科教習を受講し、試験に合格 |
⑤ 配置と運用 | 取得後は免許条件を確認し、業務内容に合った職務に配置 |
途中でつまずかないよう、日本語学習支援や試験対策、メンタルケアもあわせて行うと、安心して取得を目指すことができます。
運転業務を任せる上での法的リスクと対策
海外人材に運転業務を任せる際は、企業として守らなければならない法的なルールがいくつかあります。これを怠ると、事故や行政処分といった重大なリスクに直結するため、事前の確認と対策が欠かせません。
注意点 | 内容 |
免許の適正範囲の確認 | 必要免許を持たない人に運転させると「無免許運転幇助」で企業が処分対象に |
国外・外国語免許の扱い | 日本の業務運転では原則使用不可、違法となる可能性が高い |
在留資格と業務内容の整合性 | 資格外活動に該当する運転業務は本人・企業ともに罰則の可能性あり |
技能実習・留学などの制限 | 該当しない在留資格では運転業務を避ける必要がある |
対策としては、まず運転業務を任せる前に「免許の種類・有効性・条件」「在留資格の業務範囲」「労働契約上の職務内容」を明確に文書化しておくことが有効です。あわせて、定期的な安全講習や事故対応マニュアルの整備も行い、法的リスクを最小限に抑える体制を整えましょう。

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7.まとめ

普通免許から中型・大型免許へのステップアップは、就職や転職、業務の幅を広げる上で非常に有効です。特に物流・建設・農業といった分野では、これらの免許を持つ人材のニーズが高く、海外人材にとっても大きな強みとなります。
また、特定技能制度との相性も良く、企業が支援を行えば即戦力としての活用や定着にもつながります。免許取得には費用や時間がかかりますが、助成金や教習所選びの工夫によって負担を軽減することが可能です。
企業・求職者ともに、免許制度の仕組みや取得条件、法的リスクを正しく理解し、戦略的に活用することが今後の人材活用において重要なポイントとなるでしょう。
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