入管法改正案わかりやすく網羅|改正内容と最新データも紹介
- sou takahashi
- 8 時間前
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目次:
日本に住む外国人の在留管理や難民認定に関わる「入管法」が大きく変わろうとしています。人権への配慮を重視しつつ、制度の厳格化を目指すこの改正案は、「不法滞在」「長期収容」「難民申請の乱用」といった課題への対応策として注目を集めています。一方で、本当に保護が必要な人が排除されるのではないかという懸念の声も根強く、賛否が分かれる状況です。
本記事では、入管法改正案の背景、主な内容、影響についてわかりやすく解説します。
1.入管法改正案わかりやすく概要を解説

入管法とは何か
入管法とは、日本に出入国する海外人材の管理や在留資格に関するルールを定めた法律です。正式名称は「出入国管理及び難民認定法」であり、日本で働く海外人材、留学生、観光客などの在留手続きや資格変更を規定しています。
この法律により、どのような海外人材が入国できるのか、また不法滞在や在留資格の違反に対してどのような対応を取るのかが細かく決められています。例えば、働くためには「就労ビザ」、留学するためには「留学ビザ」など、目的に応じたビザの取得が必須です。
加えて、難民認定に関する手続きもこの法律に基づいて行われます。入管法は、日本国内の治安維持や国際的な人の流れの調整を目的としており、日本に滞在する海外人材にとって非常に重要な法的基盤となっています。
入管難民法が改正された背景
入管難民法が改正された背景には、長期間にわたり解決されなかった海外人材収容問題があります。これまで、日本では在留資格を失った海外人材を収容施設に長期間留め置くケースが多く、国際社会から人権侵害だと厳しい批判を受けていました。
加えて、難民申請を繰り返して収容を回避するケースも問題視されていました。このような状況を受け、日本政府は海外人材の収容に関するルールを明確化し、より適切な手続きを進める必要性を感じていました。
また、労働力不足を背景に、海外人材労働者受け入れの方針転換も求められていたため、制度全体を見直すタイミングとなったのです。これにより、入管行政の透明性向上と、国際基準への適合を目指す動きが本格化しました。
入管法改正の歴史を振り返る
入管法改正の歴史は、日本社会の変化とともに進んできました。最初に大きな改正が行われたのは、1990年のことで、国際化の進展に対応するため、在留資格の種類が拡充されました。その後も、日本で働く海外人材の増加や、技能実習制度の導入などに合わせて法改正が繰り返されてきました。
近年では、2018年の改正が特に注目されました。このときは、「特定技能」という新たな在留資格が創設され、介護や建設分野などで海外人材労働者を積極的に受け入れる方針が打ち出されました。
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さらに、難民認定に関する手続きの厳格化も進められ、収容と送還に関するルール見直しも議論されるようになりました。入管法改正の歴史は、日本社会が直面する課題を反映したものといえます。
2.入管法改正案わかりやすく改正内容を整理

改正入管法の主な内容とは
改正入管法の主な内容は、不法滞在者や難民申請者に対する対応を見直す点にあります。これまで、日本では難民申請を繰り返すことで強制送還を回避できる仕組みがありましたが、改正により3回目以降の申請については原則、送還が可能になりました。
また、収容期間の上限を設ける代わりに、仮放免制度を拡充し、一定の条件下で施設外での生活を認める仕組みも導入されています。さらに、退去命令を受けた海外人材に対しては、帰国までの間に支援を行う「監理措置制度」も新設されました。
このように、海外人材の人権を配慮しつつ、在留管理を厳格化する点が改正入管法の大きな特徴です。併せて、難民認定基準の見直しや手続きの迅速化も行われ、全体的な運用の透明性向上が図られています。
入管法改正案の問題点と批判
入管法改正案には、多くの問題点と批判が指摘されています。特に懸念されているのは、難民認定の厳格化により、本当に保護が必要な人までもが送還対象となる可能性がある点です。国際人権団体や弁護士団体からは、「命の危険がある海外人材の保護が不十分になる」といった声が上がっています。
また、仮放免制度の運用に関しても、明確な基準が示されておらず、行政側の裁量が大きくなりすぎる懸念があります。
さらに、収容期間に上限を設けたとはいえ、適切な審査体制が整備されていない場合、不当な長期収容が続く可能性も否定できません。これらの問題により、改正案は「人権軽視」との批判を受け、国内外で議論が続いています。
3.入管法改正案のメリットとデメリット

入管法改正のメリットとデメリット
観点 | 内容 |
メリット | ・不法滞在者や長期収容の課題に対して、より明確で実効性のある対応が可能に。 ・仮放免制度の拡充により、収容に頼らない対応が進み、人権への配慮が一定程度進展。 ・難民申請の繰り返しによる送還逃れに制限を設け、制度の悪用防止につながる。 |
デメリット | ・本当に保護が必要な人まで送還されるリスクがある。 ・仮放免の判断基準が不透明で、公正性・一貫性に不安の声。 ・制度の厳格化が、弱い立場の人々をさらに追い込む可能性がある。 |
入管法改正のメリットとしては、まず不法滞在者や収容の長期化といった課題に対して、より明確で実効性のある対応が取れるようになった点が挙げられます。例えば、仮放免制度の拡充により、収容に頼らない対応が可能となり、人権への配慮も一定程度進みました。
また、難民申請を繰り返すことで送還を逃れていたケースに制限を設けたことで、制度の悪用防止にもつながるとされています。
一方で、デメリットとしては、本当に保護が必要な人までも送還されるリスクがあることが懸念されています。
さらに、仮放免の判断基準が不透明で、判断の公正性や一貫性に不安を感じる声も少なくありません。制度の厳格化が、弱い立場の人々をさらに追い込む結果にならないよう、今後の運用が注目されています。
入管法改正に反対する主な理由
入管法改正に対しては、多くの市民団体や人権団体が強く反対の声を上げています。その主な理由の一つは、難民保護の観点から見て、制度がより厳格になりすぎている点です。特に、複数回の難民申請による送還停止の例外が設けられたことで、紛争地域から逃れてきた人々の保護が不十分になるのではないかと懸念されています。
また、収容に代わる監理措置制度においても、監理人の負担が大きく、適切な支援体制が整っていないとの指摘があります。
さらに、政府側の説明不足や国会での審議の進め方に対しても不信感が広がっており、拙速な法改正であるとの批判も根強い状況です。こうした反対意見は、制度だけでなく、運用面の課題にも目を向ける必要性を示しています。
4.強制送還の影響を知る

令和6年の強制送還人数データ
令和6年における退去強制手続等を執った海外人材の数は18,908人で、前年に比べ710人増加しました。

このうち、出国命令手続を執った者は10,131人を占めています。国籍・地域別では、ベトナムが6,996人と最も多く、次いで中国、フィリピン、韓国の順となっています。また、不法就労の事実が認められた者は14,453人に達しており、在留資格のないまま働くケースが依然として多いことが示されています。
これらのデータは、出入国在留管理庁が公表した「令和6年の出入国在留管理業務の状況」に基づいています。今後も、適正な在留管理と海外人材の人権保護の両立が求められる中、これらの統計は重要な指標となります。
5.まとめ

入管法改正案は、海外人材の在留管理を強化しつつ人権にも配慮した制度を目指しています。しかし、制度の厳格化が本当に保護を必要とする人々に不利益をもたらす可能性も否定できません。一連の改正は、日本が国際的な責任と国内の課題の間でどのようにバランスを取ろうとしているのかを示しています。
だからこそ、私たち一人ひとりがこの問題に関心を持ち、報道や制度の運用状況を注視し続けることが重要です。
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