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執筆者の写真Ayumi Kimura

特定技能の給料はいくらが妥当?決め方や注意点も詳しく解説!

人手不足が深刻な分野にとって、特定技能は人材を確保できる制度です。しかし、さまざまな手続きや決まりごとがあるため、実際に雇い入れるのを躊躇してしまっている企業もあるでしょう。


本記事ではこれから特定技能外国人を雇い入れようと検討している企業に向けて、おおよその給料や、給料を決める際に押さえておきたいポイントや注意点について解説していきます。


 

目次:

 


1.特定技能とは



特定技能外国人の給与について知る前に、特定技能制度とはどのようなものか確認しておきましょう。


特定技能は在留資格の一つです。そのなかでも就労可能なビザとして「就労ビザ」に分類されます。

特定技能は、人手不足の解消を目的とした制度となっており、人材確保が困難な分野を対象に専門性や技術を有する外国人を受け入れるための制度となっています。


特定技能の分野は12分野でしたが、2024年3月に4分野追加され現在では対象分野は16分野になりました。


1-1.特定技能の分野

①介護

②ビルクリーニング

③素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業

④建設

⑤造船・舶用工業

⑥自動車整備

⑦航空

⑧宿泊

⑨農業

⑩漁業

⑪飲食料品製造業

⑫外食業

⑬自動車運送業

⑭鉄道

⑮林業

⑯木材産業


以上が対象の分野となっています。

特定技能制度には、1号と2号があり2号の方がより知識や熟練度が高い人材となっています。


1-2.特定技能の特徴

特定技能は1号と2号とで在留期間や技能水準などが異なります。1号と2号の違いをまとめました。


【特定技能1号】

在留期間:4ヶ月、6ヶ月、1年ごとの更新 上限は通算5年

技能水準:相当程度の知識と経験を有する

日本語能力水準:生活や業務に必要な日本語能力を有する(試験で確認)

転職の可否:可能

家族の帯同:不可

支援計画:必須


【特定技能2号】

在留期間:6ヶ月、1年、3年ごとの更新 更新の上限なし

技能水準:熟練した技能を有する

日本語能力水準:試験での確認不要

転職の可否:可能

家族の帯同:可能

永住権の取得:可能

支援計画:不要


特定技能2号では、永続的に働くことが可能となっており、条件さえクリアすれば永住権の取得も可能です。特定技能1号から2号へ移行することもできます。


2.特定技能外国人の給与



特定技能外国人の給与について、規定があります。規定の詳細と、在留資格ごとの給与についてみていきましょう。


2-1.外国人労働者の給与

在留資格別に、厚生労働省が賃金の相場について発表しています。令和5年の報告では、特定技能の平均月額給与は198,000円となっていました。前年度に比べると-3.7%となっています。

在留資格区分

賃金

対前年増減率

年齢

勤続年数

外国人労働者計

232,600円

-6.4%

33.0歳

3.2年

専門的・技術的分野(特定技能を除く)

296,700円

-1.0%

31.8歳

3.0年

特定技能

198,000円

-3.7%

28.9歳

2.4年

身分に基づくもの

264,800円

-5.7%

44.7歳

5.7年

技能実習

181,700円

2.2%

26.2歳

1.7年

その他(特定活動及び留学以外の資格外活動)

231,300円

4.7%

30.8歳

2.5年

特定技能だけではなく全体的に前年度より給与が下がっている状況となっています。



3.特定技能の給与基準



特定技能外国人の給与は規定があるため、自由に設定できません。定められている内容として、特定技能外国人は日本人と同等以上の賃金でなくてはならないのです。


3-1.日本人と同額以上

規定として、日本人と同額以上とされていますが、条件は特定技能外国人と同じ技術を持ち職種や経験が同一の日本人を指しています。給与規定が設けられている場合は、その規定にのっとります。


給与規定が設けられていない場合は、同じ技術を持ち同じ職種に従事している人と同額以上にしなくてはならないということです。


そのため、特定技能外国人の報酬に関する説明書には以下の内容を記載します。


【申請人についての記載】

・申請人(特定技能外国人)

・申請人の役職、職務内容、責任の程度

・申請人の年齢、性別及び経験年数

・申請人に対する報酬

・その他支給手当


【比較対象となる日本人労働者についての記載】

・比較対象となる日本人労働者の役職、職務内容、責任の程度

・比較対象となる日本人労働者の年齢、性別及び経験年数

・比較対象となる日本人労働者の報酬

・賃金規定の有無及び賃金規定に基づく賃金

・申請人に対する報酬が日本人が従事する場合の報酬の額と同等以上であると考える理由

・その他


となっています。


同一労働同一賃金の策定により、外国人労働者ごとに待遇の差がないように定められています。比較する日本人を基準として査定することで、待遇に差がなく明確に決めることが求められます。


3-2.給与の規定や比較対象がいない場合

同様の業務に従事している日本人が在籍していない場合は、近い職務に従事している日本人労働者について、特定技能外国人の報酬に関する説明書に記載してください。


【比較対象となる日本人労働者がいない場合】

・最も近い職務を担う日本人労働者の職務内容や責任の程度

・最も近い職務を担う日本人労働者の年齢、性別及び経験年数

・最も近い職務をにな日本人労働者の報酬

・賃金規定の有無及び賃金規定に基づく賃金

・申請人に対する報酬が日本人が従事する場合の報酬の額と同等以上であると考える理由

・その他


以上が必要になります。


また、賃金規定がなく日本人労働者を雇用していない場合は、任意の様式で申請人(外国人労働者)の報酬額を決定した方法や経緯について記載した文書の提出が求められます。



4.時間外、休日及び深夜労働の割り増し



給与だけではなく、時間外労働や休日、深夜時間帯の労働に関して割り増し賃金が発生します。


割り増し賃金は、労働基準法で定められており、労働者の国籍や雇用形態に関わらず適用されます。


そのため、特定技能外国人も時間外、休日、深夜に働いた場合もれなく該当するのです。


4-1.割り増し率

割り増し率は条件によって異なります。時間外、休日、深夜の割り増し率と条件は以下の通りです。


【時間外(時間外手当・残業手当)】

支払う条件として、

・法定労働時間(1日8時間、週40時間)を超えたときに割り増し率は25%以上

・時間外労働が限度時間(1ヶ月45時間、1年360時間)を超えたときに割り増し率は25%以上

・時間外労働が1ヶ月60時間を超えたときに割り増し率は50%以上


【休日(休日手当)】

支払う条件として、法定休日(週1日)に勤務させたとき、35%以上の割り増し率となります。


【深夜(深夜手当)】

22時から5時までの間に勤務させた場合、25%以上の割り増し率となります。


5.給与交渉を受けた場合



昇給は、仕事をしていく上で評価されたと考えられるためモチベーション向上にも繋がります。

特定技能外国人も、同様でもっと稼ぎたいと思ったり自分の仕事を評価されたいと思ったりします。


給与交渉を受けた場合、真摯に向き合いどうするか決めていく必要があります。


5-1.現在の状況を把握する

給与交渉を行なってきた人の現在の給与状況について確認してください。給与を決定する際に、法令を遵守しているのが大前提ですが継続して従事している場合昇給対象になっている可能性もあります。


その上で、同等の業務を遂行する日本人労働者と相違ないか確認した上で話を進めるようにしましょう。


5-2.現在の給与根拠と相手の要望を確認する

コミュニケーションが第一になります。現在の給与の根拠について、しっかりと伝わるように説明します。


また、それだけではなく相手の要望も漏れがないように聞き取る必要があります。給与の根拠だけ伝えて終わりにしてしまってはいけません。どのような要望があるのか、確認しその要望が現実的であるか、この先可能性があるのかについて考えていくのです。


5-3.昇給するための提案を行う

現時点ですぐに昇給できるほどの年数や能力を有していた場合、そのことをしっかりと説明した上で、昇給します。


しかし、現時点で昇給が難しいと判断した場合どのようにすれば昇給できるかを伝えてください。


例えば、現在従事している業務に対して現状は誰かに確認してもらわなくてはいけない状態だったのを、確認してもらわなくても良くなった=その業務については誰かに指示できる状態であれば、昇給対象である。


日本語能力において、円滑にコミュニケーションを取れる、誰かに言い換えてもらわずともスムーズに話を進められる=日本語能力テストで〇級を合格する。


といった具体的な内容を提示すると良いでしょう。


これらの内容を提示することで、特定技能外国人のやる気も上がりますし、任せられる業務が増えれば作業効率も上がり、会社への貢献度も多くなります。


提案もなく話も聞いてもらえなかった場合、不満に感じ転籍されてしまう可能性もあるでしょう。


逆に、良い待遇や親身になって相談に乗ってくれる、長期的に考え、提案してくれる会社であれば、長く働きたいと考えるはずです。

また、現時点で昇給についての規定や決めごとがない場合、一つの指針として会社内で作っておくと良いでしょう。


もちろん、日本人労働者も同様の条件になるため、双方の面で考える必要があります。


6.特定技能外国人の平均給与額



令和3年の時点で報告されている特定技能外国人の平均給与額は以下の通りとなっています。(集計時の特定技能制度の分野は12分野となっています。)


【全分野平均月額:231,979円】

介護:223,531円

ビルクリーニング:207,313円

素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業:240,641円

建設:285,339円

造船・舶用工業:239,748円

自動車整備:249,481円

航空:対象者数が10名以下のため集計対象外

宿泊:194,358円

農業:206,096円

漁業:236,634円

飲食料品製造業:223,566円

外食業:233,543円



7.変わりゆく状況を見据えながら臨機応変な対応を



特定技能外国人を雇用する上で、給与を含めた条件は双方が納得した上で決定する必要があります。


規定に則った給与ももちろん大切ですが、どのようにしてそれが決定されたのか、理解し納得するまで丁寧な説明が必要です。

また、近隣の給与水準を鑑みたり、そのほかの地域の給与も把握しておいた方が良いでしょう。


知識や技術のある人材であれば、より良い条件の会社へ転職するということも考えられます。


長期的に働いてもらいたいと考えているのであれば、キャリアパスを含めさまざまな面で相談に乗り、モチベーションを上げ貢献してくれるようにしましょう。

特定技能外国人の雇用や人材受け入れについて不明点やわからない、悩んでいることがある場合は、ぜひご相談ください。


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