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執筆者の写真Ayumi Kimura

【特定技能2号】農業分野の移行条件や必要な経験を詳しく解説!

特定技能「農業分野」は、1号だけではなく2号も認められています。現在、1号特定技能外国人を雇用している企業では、2号特定技能への移行を希望する外国人も増える可能性が考えられます。


特定技能2号では、1号と知識や経験、技術だけではなく在留期間や家族帯同が認められるなどの違いがあります。


本記事では、特定技能2号「農業分野」について解説していきます。


 

目次:

 

1.特定技能「農業」分野とは



特定技能「農業」分野では、耕種農業全般と畜産農業全般の業務に従事することが可能です。(※耕種農業:土地を耕して作物を栽培する農業。稲作・穀物・野菜・果樹などの栽培。畜産農業:牛・豚・鶏などの家畜を飼育、孵卵する。)


農業分野は令和5年6月の閣議決定により、特定技能2号の対象分野となりました。

特定技能1号と2号では従事できる業務内容が異なります。それぞれ従事できる業務内容はどのようなものがあるのか確認していきましょう。


1-1.特定技能1号「農業」分野で従事できる業務内容

【耕種農業区分】

*分野・区分の概要

栽培管理、農産物の集出荷、選別等の農作業


*従事する主な業務

・各作物に応じた土壌づくり

・施肥作業

・種子、苗木の取り扱い

・資材、装置の取り扱い

・栽培に関する作業

・安全衛生業務等

従事できる業務は、上記に記載されている「主な業務」となりますが、付随する関連業務も従事可能です。関連業務だけに従事することはできません。


*想定される関連業務

・特定技能所属機関が生産した、農畜産物を原材料または、材料の一部として使用する製造または加工の作業

・特定技能所属機関による農畜産物の生産に伴う副産物を原材料または材料の一部として使用する製造または加工の作業

・農畜産物の運搬陳列、または販売の作業

・農畜産物を原料または材料として製造され、または加工されたものの運搬、陳列または、販売の作業

・農畜産物の生産に伴う副産物を原料または材料として製造され、または加工されたものの運搬、陳列または販売の作業

・その他特定技能所属機関で耕種農業または畜産農業の業務に従事する日本人が通常従事している作業


専らこれらの業務だけに従事することができませんが、同業の業務に従事している日本人が関連業務として行なっている場合は許可される可能性が高いです。


【畜産農業区分】

*分野・区分の概要

飼養管理、畜産物の集出荷・選別等の農作業


*従事する主な業務

・各畜種に応じた器具の取り扱い

・個体の取り扱い、観察

・飼育管理

・生産物の取り扱い

・安全衛生業務 等

従事できる業務は、上記に記載されている「主な業務」となりますが、付随する関連業務も従事可能です。関連業務だけに従事することはできません。


*想定される関連業務

・特定技能所属機関が生産した、農畜産物を原材料または、材料の一部として使用する製造または加工の作業

・特定技能所属機関による農畜産物の生産に伴う副産物を原材料または材料の一部として使用する製造または加工の作業

・農畜産物の運搬陳列、または販売の作業

・農畜産物を原料または材料として製造され、または加工されたものの運搬、陳列または、販売の作業

・農畜産物の生産に伴う副産物を原料または材料として製造され、または加工されたものの運搬、陳列または販売の作業

・その他特定技能所属機関で耕種農業または畜産農業の業務に従事する日本人が通常従事している作業


専らこれらの業務だけに従事することができませんが、同業の業務に従事している日本人が関連業務として行なっている場合は許可される可能性が高いです。


1-2.特定技能2号「農業」分野で従事できる業務内容

特定技能2号では、管理業務も従事可能となっています。詳しく見ていきましょう。

【耕種農業区分】

*分野・区分の概要

栽培管理、農産物の集出荷・選別等の農作業および当該業務に関する管理業務


*従事する主な業務

・各作物に応じた土壌づくり

・施肥作業

・種子、苗木の取り扱い

・資材、装置の取り扱い

・安全衛生業務

・管理業務(農場管理、品質管理、人材育成など)等

従事できる業務は、上記に記載されている「主な業務」となりますが、付随する関連業務も従事可能です。関連業務だけに従事することはできません。


*想定される関連業務

・特定技能所属機関が生産した農畜産物を原料または材料の一部として使用する製造または加工の作業

・特定技能所属機関による農畜産物の生産に伴う副産物を原料または材料の一部として使用する製造または加工の作業

・農畜産物の運搬、陳列または販売の作業

・農畜産物を原料または材料として製造され、または加工されたものの運搬、陳列または販売の作業

・農畜産物の生産に伴う副産物を原料または材料として製造され、または加工されたものの運搬、陳列または販売の作業

・その他特定技能所属機関で耕種農業または畜産農業の業務に従事する日本人が通常従事している作業

専らこれらの業務だけに従事することができませんが、同業の業務に従事している日本人が関連業務として行なっている場合は許可される可能性が高いです。


【畜産農業区分】

*分野・区分の概要

飼養管理、畜産物の集出荷・選別等の農作業および当該業務に関する管理業務


*従事する主な業務

・各畜種に応じた器具の取り扱い

・個体の取り扱い、観察

・飼育管理

・生産物の取り扱い

・安全衛生業務

・管理業務(農場管理、品質管理、人材育成など)等

従事できる業務は、上記に記載されている「主な業務」となりますが、付随する関連業務も従事可能です。関連業務だけに従事することはできません。


*想定される関連業務

・特定技能所属機関が生産した農畜産物を原料または材料の一部として使用する製造または加工の作業

・特定技能所属機関による農畜産物の生産に伴う副産物を原料または材料の一部として使用する製造または加工の作業

・農畜産物の運搬、陳列または販売の作業

・農畜産物を原料または材料として製造され、または加工されたものの運搬、陳列または販売の作業

・農畜産物の生産に伴う副産物を原料または材料として製造され、または加工されたものの運搬、陳列または販売の作業

・その他特定技能所属機関で耕種農業または畜産農業の業務に従事する日本人が通常従事している作業


専らこれらの業務だけに従事することができませんが、同業の業務に従事している日本人が関連業務として行なっている場合は許可される可能性が高いです。


2.特定技能2号「農業」分野の人材基準



特定技能2号に求められる人材基準として、以下が挙げられます。


・技能水準:2号農業技能測定試験

・実務経験:農業の現場において複数の従業員を指導しながら作業に従事し、工程を管理するものとしての実務経験、または農業の現場における実務経験


2-1.2号農業技能測定試験

2号農業技能測定試験の実施方法や受験資格、試験科目について以下の通りとなっています。


【実施方法】

CBT方式:テストセンターでコンピュータを使用して出題、解答。受験者はブースでコンピュータの画面に表示される問題に画面上で解答するものである。


【受験資格者】

・試験日において満17歳以上であること。

・試験日において、試験区分に応じ、耕種農業もしくは畜産農業の現場において、複数の作業員を指導しながら作業に従事し、工程を管理するものとしての2年以上の実務経験または、耕種農業もしくは畜産農業の現場における3年以上の実務経験があること。


【試験科目】

学科試験および実技試験からの構成。試験時間は60分、試験問題数は50問程度(正答率等を分析するための採点対象外問題を含む)。


*耕種農業全般(マネジメント能力を含む)

〈学科〉

・耕種農業一般

・安全衛生

・栽培作物の品種・特徴

・栽培環境(施設・設備・資材・機械)

・栽培方法・管理

・病害虫・雑草防除

・収穫・調整・貯蔵・出荷 等


〈実技〉(イラスト・写真による判断)

・肥料・農薬の取り扱い

・種子の取り扱い

・環境管理、資材・装置・機械の取り扱い

・栽培に関する作業

・病害虫

・安全衛生 等


*畜産農業全般(マネジメント能力を含む)

〈学科〉

・畜産農業一般

・安全衛生

・品種

・繁殖・生理

・飼育管理 等


〈実技〉(イラスト・写真による判断)

・個体の取り扱い

・個体の観察

・飼育管理、器具の取り扱い

・繁殖・生理

・安全衛生 等



2-2.特定技能2号の申請に必要な書類

特定技能2号を申請するためには以下の書類が必要になります。


①業務区分に応じて、「2号農業技能測定試験(耕種農業全般)の合格証明書の写し」もしくは「2号農業技能測定試験(畜産農業全般)の合格証明書の写し」


②農業分野における特定技能外国人の受け入れに関する誓約書(特定技能所属機関)


③協議会の構成員であることの証明書(特定技能所属機関)


留意事項として、初めて農業分野で受け入れる場合には申請前の協議会加入手続きが必要となります。


3.特定技能2号の概要



特定技能2号は1号と技能水準が異なるだけではなく、在留期間や家族帯同といった条件面でも違っています。


特定技能2号の概要について見ていきましょう。


3-1.特定技能2号

特定技能2号は、以下の内容で滞在が認められています。


*在留期間:6ヶ月・1年・3年ごとの更新で、更新の上限はない

*永住権:条件を満たせば可能

*家族の帯同:条件を満たせば可能

*技能水準:熟練した技能が必要

*外国人支援:必須、支援計画の策定実施が義務付けられている


永住権の取得や家族帯同が認められるなど、特定技能1号と異なる点が多くあります。この先長い間、日本で働きたいと考えている外国人や働いてほしいと考えている企業であれば、特定技能2号を取得することを薦めるのも良いでしょう。


3-2.特定技能外国人を受け入れるための要件

特定技能外国人を企業側が受け入れるに際し、一定の基準が設けられています。


・外国人と結ぶ雇用契約が適切である

報酬額や労働時間が日本人と同等以上であることや、従事する内容が適切であること。


・受入機関自体が適切であること

法令を遵守し「禁錮以上の刑に処せられた者」等の結核事由に該当しないこと、補償金の徴収や違約金契約を締結していないこと


・外国人を支援する体制があること


・外国人を支援する計画が適切であること


上記が特定技能外国人を受け入れるための基準となります。


また、受入機関の義務として、


・外国人と結んだ雇用契約を確実に履行すること


・外国人への支援を適切に実施すること


・出入国在留管理庁およびハローワークへの各種届出を行うこと

特定技能外国人の受け入れ後は、受け入れ状況について地方出入国在留管理局およびハローワークへの届出が必要となります。


特定技能外国人を受け入れる企業は、特定産業分野ごとに分野所管省庁が設置する協議会への加入が義務付けられています。協議会は、分野所管省庁や受入機関、業界団体などで構成されており、制度や情報の周知や地域ごとの人手不足の状況を把握し必要な対応を行なっています。



4.農業分野に特定技能2号外国人の雇用を積極的に



特定技能2号は、永住権の取得や家族帯同が一定の条件を満たせば認められています。そのため、長く日本で仕事をしたい、家族を呼び寄せて日本で生活したいと考えている外国人が働いてくれる可能性が高いです。


そのため、現時点で特定技能1号で従事してくれている外国人の希望によっては、特定技能2号への移行を薦めるのも良いかもしれません。


特定技能2号の取得は、条件や試験も簡単にいかないかもしれません。しかし、長きに渡って、企業を支えてくれるであろう人材になりうるのでれば、しっかりとサポートを行い、育てていくのも良いでしょう。


就労ビザや特定技能に関することで不明点やお悩みがある方はぜひご相談ください。


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