特定技能を含む外国人労働者は23年10月時点で、初めて200万人を突破し、11年連続で過去最多を更新しています。19年に導入した特定技能雇用制度が外国人労働者の増加の一つの要因だと考えられています。また、「特定技能」を巡り、政府が2024年度から5年間で最大82万人の受け入れ見込み人数を試算しているとのこと。このコラムでは、その詳細と今後の展望についてお伝えします。
01「外国人雇用状況」の届出状況まとめ
「外国人雇用状況」の届出状況まとめの令和5年10月末時点版が公開され、外国人労働者数は初めて200万人を超えました。ポイントは以下の通りです。
届出状況のポイント
●外国人労働者数は 2,048,675 人で前年比 225,950 人増加し、届出が義務化された平成19年以降、過去最高を更新し、対前年増加率は 12.4 %と前年の 5.5 %から 6.9 ポイント上昇。
●外国人を雇用する事業所数は 318,775 所で前年比 19,985 所増加、届出義務化以降、過去最高を更新し、対前年増加率は 6.7 %と前年の 4.8 %から 1.9 ポイント上昇。
●国籍別では、ベトナムが最も多く 518,364 人(外国人労働者数全体の25.3%)、次いで中国 397,918 人(同19.4%)、フィリピン 226,846 人(同11.1%)の順。
●在留資格別では、「専門的・技術的分野の在留資格」が対前年増加率として最も大きく 595,904 人、前年比 115,955 人(24.2%)増加、次いで「技能実習」が 412,501 人、前年比 69,247 人(20.2%)増加、「資格外活動」が 352,581 人、前年比 21,671 人(6.5%)増加、「身分に基づく在留資格」が 615,934 人、前年比 20,727 人(3.5%)増加。一方、「特定活動」は 71,676 人、前年比 1,687 人(2.3%)減少。
02 外国人労働者増加の要因
外国人労働者が増加している一番大きな理由は日本の少子高齢化による人手不足です。 実際、企業が外国人労働者を受け入れている理由の過半数は、人手不足が原因というデータもあります。 日本の人手不足は年々深刻化しています。政府は人手不足を解消すべく、2019年に始まった特定技能雇用制度をはじめ、外国人が働きやすい制度や環境を整え、外国人労働者を積極的に受け入れようとしています。
03 特定技能とは
特定技能とは、2019年4月に新設された在留資格です。特定技能の新設により、各省庁が選んだ12分野14業種で外国人の受け入れが解禁されました。その領域は従来の在留資格とは異なり高度・専門的なものである必要はありません。また、特定技能には1号と2号の2種類の在留資格があります。1号と2号では受入可能分野や在留期間などが異なります。 特定技能雇用について詳しくはこちら
04 技能実習制度を廃止
外国人労働者をめぐっては、政府が人権侵害の指摘もある技能実習制度を廃止して新たに育成就労制度を設ける方針で、特定技能と同じ分野にかぎり受け入れることにしています。受け入れる職種は介護や建設、農業など、専門の知識が求められる特定技能制度と同じ分野に限るとしています。しかし、それ以外の職種についても今後、人材確保などの観点から追加するかどうか検討を進めるようです。また、これまで原則できなかった、別の企業などに移る「転籍」も同じ分野に限り認めるとした上で、最初の受け入れ先で働く期間を職種ごとに1年から2年の範囲で定められるとしています。新たな制度を通じて永住の許可を得る外国人の増加が見込まれています。
05 「特定技能」に4分野の追加検討
人手不足が深刻で外国人材への要望も強いとして、現在政府は「特定技能」に4つの分野の追加を検討しています。追加が検討されている業種は自動車運送、鉄道、林業、木材産業の4つです。具体的には、自動車運送ではバスやタクシー、トラック運転手、鉄道では運転士や駅員、車両整備などの業務を想定しているとのこと。今後、特定技能雇用の活躍の場が増え、外国人労働者がもっと身近な存在となり、且つ人手不足解消も期待されます。
06 まとめ
200万人という数字から、様々な産業において多くの外国人労働者が活躍されていることが分かります。政府は新たに育成就労制度を設けたり、特定技能に新しい分野の追加を検討したりして、今後も更なる外国人の雇用拡大を目指しています。そのことからも特定技能雇用は人口減少が進む日本の新たな労働力として期待されます。
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